...真暗な奥行きの知れぬ洞穴(ほらあな)になっている所があった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...割合に奥行きが深くて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...この場合にも頭のいい人は人間の頭の力を買いかぶって天然の無際限な奥行きを忘却するのである...
寺田寅彦 「科学者とあたま」
...途中には奥行きの相当深いらしい料亭(りょうてい)の塀(へい)の外に自動車が二三台も止まっていたりして...
徳田秋声 「仮装人物」
...家の全奥行きと多くの空室とが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかし奥行きがないから落ちつきがなくって駄目だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...奥行きのありそうな話で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あんなにも透視的の奥行きをあたへたり...
萩原朔太郎 「装幀の意義」
...奥行きの深い、間口の広いその店は、丁度貝のように暗くて、働いている七八人の店員達は病的に蒼い顔をして、急がしく立ち働いていた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...奥行きと同じくらい長かった...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...奥行きなさは、愚かさではなくて、その利口さのために生じている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...やはりフランス文学の深い奥行きを考えます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...正成の郷土の衆望や人間の奥行きについては...
吉川英治 「私本太平記」
...尊氏は正成からじぶんの幅や奥行きを測られてはならぬと思った...
吉川英治 「私本太平記」
...どこか大まかな幅と教養の奥行きがその人柄に感じられる...
吉川英治 「新書太閤記」
...この女の湿潤(しつじゅん)な肌の奥行きが忘れえず...
吉川英治 「新・水滸伝」
...奥行き三十センチメートル(*1-5)程に過ぎなかったが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...今のは高さと奥行きとが元のままであって...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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