...腹の底の奥深い所に...
伊藤左千夫 「去年」
...彼はここがカンヌキ山のずっと奥深い山ぶところにかくされたる六天山塞(ろくてんさんさい)の地下巣窟(そうくつ)だとは知らなかった...
海野十三 「少年探偵長」
...それはともかくあの奥深い青髪山まで...
海野十三 「雪魔」
...独り大きな題目のみが人間の奥深い臓腑を揺り動かす事の出来るものである...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...いつのまにかまた人の心の奥深いあたりにまでも置いてきぼりにしないではおかないやうな鳴声だ...
薄田泣菫 「独楽園」
...いつも奥深い暗いところでばかり見ていた輪郭が...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...要は首を上げて奥深い庭の木の間を視つめた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...水彩画の生命はもっと奥深いところにあるはずである...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...奥深い母屋(おもや)の垠(はずれ)にある笹村の部屋は...
徳田秋声 「黴」
...そして森の一番奥深いところへ...
豊島与志雄 「悪魔の宝」
...両者は共に、三千メートルを出入する、日本最高位の山岳群の間を貫通して、勾配の急な、奥深い、そして人跡稀な峡流をなすところ、その形勢ははなはだ相似ている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...過去の奥深いところに隠れていた手慣れた感情……そんなものだった...
久生十蘭 「復活祭」
...同文のものをここに持っておるのであります」といって奥深いポケットから二通の電報を取出し...
久生十蘭 「魔都」
...奥深い芸術の殿堂であつた...
牧野信一 「珠玉の如き」
...そして、連れてゆかれたのは、奥深い、丸窓を持った一間(ひとま)だった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...初めに永久の愛の告げられた大将の言葉にはさすがに奥深いものがあり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それに皮の色自体が奥深い美しさである...
柳宗悦 「樺細工の道」
...この虫の心理の核心……すなわち人間の本能の最も奥深いところに在る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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