...薄暗いまで奥深いあの店頭(みせさき)に...
泉鏡花 「歌行燈」
...暗く奥深い呉服屋や...
岩本素白 「雨の宿」
...最後には矢張能面がよく代表する日本美の奥深い含蓄性について一言せねばならぬ...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...奥深い山中の木の下闇をさえ奪ってしまうのは...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...その家は奥深い塗屋造(ぬりやづく)りで...
徳田秋声 「足迹」
...四方の山々、奥深い原始林、なだらかな湖面、すべてが静謐だった...
豊島与志雄 「山吹の花」
...サルペートリエールの奥深い裏通りへはいって行き...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...植込(うゑごみ)の奥深い土の上にばら/\な斑点を描いて居る事もあつた...
永井荷風 「花より雨に」
...万人に一人でなければ理解のできない奥深い真理が籠(こも)っているに相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...身体(からだ)の奥深いところにたまって来る...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...奥深い様子であった...
夏目漱石 「坑夫」
...奥深い軽侮の色を透(すか)し見た...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...少し位知識を持ったとてこれを宇宙の奥深いに比ぶればとても問題にならぬ程の小ささであるから...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...奥深い秘密を察知したのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...疲れが奥深いところにある...
宮本百合子 「寒の梅」
...――――――――――――一抱えに余る柱を立て並べて造った大廈(おおいえ)の奥深い広間に一間四方の炉を切らせて...
森鴎外 「山椒大夫」
...奥深い処に隠れているのであったが...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...郷士たちは奥深い詰部屋(つめべや)に寝込んだものか...
吉川英治 「江戸三国志」
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