...小藤次は、煙管を仕舞って「とにかく、奥役に聞いて、奉公に上れるか、上れんか、なあ、それから先にして、俺(おいら)あ、もう一度来るから、深雪さんも、よく考えておいてくんな...
直木三十五 「南国太平記」
...わしは、来て早々、何も存ぜぬから、奥役に聞くと、確かに、使したと、申しておるが――存じてもおろう、調所殿の急死――大は、御当家を起したことから、小は、お前達の身の上までも、案じておられたえらい方じゃで、この志を無にしてはならぬし――それに、お前の母も、国へ戻って、お前一人では、淋しくもあろうし、と、申して、このわしが、慰めても、聞くまいし、あはははは、怒るな、美しい女を見ると、戯談の一つも、申したくなるものじゃ」綱手は、蒼くなって、俯向いていた...
直木三十五 「南国太平記」
...奥役(おくやく)...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ひょろ松は、人垣を押しわけながら小屋の中へ入って行くと、若太夫から奥役、まるで腑ぬけのようになって腕組みをしたままぼんやりと飾場の砂の上に突っ立っている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「鯨が盗まれたそうだな」奥役は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...折あしく近頃お国表の尼ヶ崎から江戸詰になったばかりの奥役人...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...(何をしていくさるのじゃやら)いよいよお国訛り丸出しで奥役人ヤキモキしていると...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...「ナナ何じゃイこれは?」目を剥き出して奥役人怒鳴りつけたら...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...中村座の奥役の一人だった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...奥役は何やら細々(こまごま)記した罫紙(けいし)を見ながら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...一一雪之丞の、星にもまがうような、美しい瞳は、奥役の唇から、土部駿河守の名が洩れた時、異様なきらめきを漲(みなぎ)らして、思わず、何か口に出そうとしたようであったが、チラリとこちらに向けられた、師匠の視線に、辛(かろ)うじて、己れを制したのであった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...菊之丞は、「どれどれ、わしに、お書き付を、お見せ下され」と、いって奥役から、書き込みを受け取ると、「雪之丞、そなたも拝見なさい...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...精進(しょうじん)いたす覚悟でござります」奥役は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...存分お釜(かま)が起きようわい――奥役が去ってから...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...手前が名前人やら奥役やら座頭(ざがしら)やら...
吉川英治 「江戸三国志」
...奥役の頼母木与四郎兵衛(たのもぎよしろべえ)であった...
吉川英治 「夏虫行燈」
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