...奥床しい感激があるのです...
上村松園 「無表情の表情」
...ところでお遊さんのこえのよいことは前にも申しましたようにわたくし自身も聞いたことがござりましてよく存じておりますのでその人柄を知ってそのこえをおもうと今更のように奥床(おくゆか)しさをおぼえるのでござりますが父はそのときにはじめてお遊さんの琴唄(ことうた)をきいて非常にかんどうしたのでござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...奥床しさ云うもんを認めてくれる男性もあるやろうと思う...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ちっとも奥床しさというものがない...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...まことに奥床しいかをりである...
種田山頭火 「其中日記」
...(本紙の社長、前田氏は、よかったよ、と、云っていたが、らしいと疑問にしておくのは、文筆業者の、奥床しさ、というものである)だが、前篇がよかったからとて必ずしも後篇もいいとは云えない...
直木三十五 「大阪を歩く」
...過ぎ行く舟の奥床(おくゆか)しくも垂込(たれこ)めた簾の内をば窺見(うかがいみ)ようと首を伸(のば)したが...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...神尾主膳とは違って奥床しいところのある人だと思わせられる心持になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...謙遜の奥床しさもある...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんな物欲しそうなことは言わん方が奥床しくて好いと...
中谷宇吉郎 「寒月の「首縊りの力学」その他」
...風静(しずか)に波動かざる親鸞上人の胸懐はまた何となく奥床(おくゆか)しいではないか...
西田幾多郎 「愚禿親鸞」
...何んとなく奥床しいもの...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...なにやら奥床しい...
久生十蘭 「奥の海」
...また品がよく奥床(おくゆか)しかったから...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...むかしはどんなにか美しかったであろう奥床しい眼差の中にも...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...斯んな奥床しい小間使ひが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...奥床しさ全く比較にならないが...
山本笑月 「明治世相百話」
...母の方は奥床しいどころでなく真剣に嫌がっていたようでした...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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