...私の頭の奥のほうで...
寺田寅彦 「断水の日」
...縁の下に竹や木材を押し込んである奥のほうで二匹の子を育てていた...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...奥のほうで濁った鋭さをもっていた...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...御用部屋の奥のほうで...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...しまいにはどこか空の奥のほうでもって...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...無数の小さな雪が空の奥のほうで微かにごおっという音を立てながら絶えず涌いているような気がせられるのである...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...のどのずっと奥のほうで出すし...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...心の奥のほうでは変化が起こっていたらしい...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...こういう囁(ささや)きが耳の奥のほうで聞える...
山本周五郎 「菊千代抄」
...奥のほうで三味線の音と...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...耳のずっと奥のほうで聞えた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...小父さんは」「今、奥のほうで、半兵衛先生が、そう呼んだろ...
吉川英治 「新書太閤記」
...本丸の奥のほうで...
吉川英治 「新書太閤記」
...奥のほうで大三郎が眼をさましたとみえ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「小父さん――御飯をちょうだい」「あいよ」と奥のほうでめし屋のおやじ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...奥のほうで返辞がした...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...表門から、また玄関からも、事の不意に驚いた諸士が、「ご隠居さまのお着きですっ」「ご老公がおわたりになられましたっ」と、あわただしげに告げてもなお、奥のほうでは、信じなかったくらいだった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...鍵のありかが知れない」「用人(ようにん)が心得ているだろう」「その用人が、頑強にてむかいして来るので、介三郎が、斬ってしまった」「……ちと、早まったな」すると、奥のほうで、「悦之進、悦之進」と、その介三郎の声がし、すこし間をおいてから、また、「あったぞ、だいぶ」と、狂喜しているのが聞えて来た...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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