...当時病天才の名をほしいままにした高山樗牛(たかやまちょぎゅう)らの一団はニイチェの思想を標榜(ひょうぼう)して「美的生活」とか「清盛論(きよもりろん)」というような大胆奔放な言説をもって思想の維新を叫んでいた...
有島武郎 「或る女」
...彼をして奔放な生活に走らせたといふ...
心猿 「露伴忌」
...可哀そうな彼をしてこの奔放な錯覚に陥らしめたのだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...捲紙(まきがみ)に奔放な筆を揮(ふる)って手術の予後を報告して来た幾つかの彼女の手紙の意気ごみ方を考えると...
徳田秋声 「仮装人物」
...実に雄大奔放な天馬である...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その奔放な心持ちは...
長谷川時雨 「明治大正美女追憶」
...私はこの本を台本として青年層の読者の為にはその中から美しいまた不覇奔放な初期の作から順に...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その構想には奔放な詩人の想像力と情熱とが浸透している...
平林初之輔 「作家としての小酒井博士」
...黒目の奔放な女でしたな」「ああ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...あの奔放な味わいや豊かな雅致は...
柳宗悦 「工藝の道」
...だがそれはあの無心な奔放な雅致を...
柳宗悦 「工藝の道」
...あの奔放なこだわりのない活々した美は...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...その釉垂れに奔放な自然の味を汲(く)んだ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...野中の神の社などで出逢うような自由奔放なる大木は...
柳田国男 「雪国の春」
...子供のじんは奔放な無政府主義の信奉者であった...
山本周五郎 「季節のない街」
...彼はふとチロルで氷河の牙の上から振り向いた千鶴子の奔放な美しさを思い出した...
横光利一 「旅愁」
...この藤三娘(とうさんじょう)(藤原氏の三女のいみ)の書の勝ち気で自由奔放なふうは...
吉川英治 「正倉院展を観る」
...我々の心は自由にして奔放なロシア舞踊により深く満足するに相違ない(注二)...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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