...谷から谷へ枝から枝へ飛び移って啼く鳥の心を隠約(いんやく)の裡(うち)に語っている生前彼女がこれを奏でると天鼓も嬉々(きき)として咽喉(のど)を鳴らし声を絞(しぼ)り絃の音色と技を競った...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...此の古沼の水底で奏でるのかとも疑われる...
谷崎潤一郎 「少年」
...奏でる六月十二日曇――少雨――晴...
種田山頭火 「其中日記」
...弦の奏でる音が憂鬱に響いたり...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...文学に於ける世界観と方法との両者の最も著しい音色を奏でる鼓膜なのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...しかし木之助の奏でる胡弓を...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...薔薇の袂(たもと)にそよかぜが妙なる楽を奏でるとき...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...忘れ果てたあの懐しい情歓を奏でるのだ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...にぎやかな交響楽を奏でる...
火野葦平 「花と龍」
...フルートの奏でる五つの音は...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...もう一時間もその盲人の奏でる琵琶(バンドゥーラ)に聴き入つてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ヴアヰオリンを奏でるのを楽しみにしてゐた者だつたが...
牧野信一 「小川の流れ」
...お父さん……」私が奏でる横笛と私の妻君が弾奏する手風琴に伴れて...
牧野信一 「酒盗人」
......
三好達治 「南窗集」
...詩として奏でるよりほかに...
吉川英治 「随筆 新平家」
...東道頓堀の雑鬧(ざっとう)が奏でる都会の嗄(かす)れ声に交錯して花合戦の幕が切っておとされた...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
...世界各国の鶏(にわとり)の歌奏でるユダの主人...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
...レムブルグ美容院の舞踊場の楽隊の奏でる哀悼歌に合唱して...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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