...幸太夫に継いでの露国探険者たる一代の奇矯児(ききょうじ)寿安老人であった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...まるで犯罪者のような奇矯な行動ではありましたが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...列車消失イギリスのある有名な探偵作家は実に奇矯なことを考えた...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...死の欺瞞死の欺瞞(ぎまん)について奇矯な着想が幾つかある...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...これまでのように彼の奇矯な信仰をわらえなくなっている...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...夫人やこの証人の方の遠目を晦(くら)ます為にそんな奇矯な真似(まね)をしたのだとしても...
大阪圭吉 「花束の虫」
...寧ろ彼の言葉は聊か奇矯に過ぎるだろうと考えました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...けれどカルヴァートが現れたんじゃ――そこまで怖くはなさそうで……僕の好みからするとどうも奇矯過ぎますね――彼女に話したいのかそうじゃないのか...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...奇矯なる言動とを以て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...むしろ奇矯なる表現のみを重視していた...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...決して奇矯(ききょう)激越の調でないことは統計的にも明らかである...
信時潔 「望ましい音楽」
...かかる奇矯の言を爲すものでない...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...私は日増しにここの奇矯さに馴染んでいき...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...そこに今日の詩人たちの共通の弱點――奇矯にすぎること――があると言つてよい...
堀辰雄 「レエモン ラジィゲ」
...特にそんな奇矯癖を振り廻すはずもなく...
牧野信一 「坂口安吾君の『黒谷村』を読む」
...なにか反抗的な奇矯なところがあるらしく思っていたのである――その尊敬の中に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...洗練された奇矯な悪魔的なものである人...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...つねに奇矯のおこないが多く...
山本周五郎 「桑の木物語」
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