...実はきわめて合理的な奇智と推理によって犯罪をあばくのである...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...いささかの奇智(きち)を弄(ろう)して悪銭を得ては...
太宰治 「新釈諸国噺」
...奇智にあこがれるのである...
太宰治 「天狗」
...奇智などの輩のとても及ばぬ立派な句が出来るものだ...
太宰治 「天狗」
...奇智が溢れて居る様な処があつても...
時枝誠記 「国語学と国語教育」
...如何にそこに繊細な用意や奇智が蔵せられて居るかゞ分る...
時枝誠記 「国語学と国語教育」
...博士が学生の奇智を賞讚して...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...二人の学生の奇智を賞讚するのあまりに博士が彼等を抱きあげて接吻する劇中の場面と同様のクライマックスで...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...その「奇智に富める工夫」を絶賞し...
牧野信一 「熱海線私語」
...漸く彼は奇智を弄して...
牧野信一 「凩日記」
...奇智奸計の全く欠けた畜生の一匹になつて...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...と思つて――」「奇智(ウヰツト)が必要なのね...
牧野信一 「南風譜」
...」「あの場面にオルフェスの竪琴を伴奏につかつたところは舞台監督の奇智だつたな...
牧野信一 「変装綺譚」
...これ程の評判と、これ程の奇智と、これ程の度量と、そしてこれ程の腕前に恵まれてゐる俺達にとつては、金銀財宝などは塵芥(ちりあくた)も同然だ、やがて、収穫(とりいれ)の季節も終り、水車小屋が他人手(ひとで)に渡つたあかつきには、ヤグラ岳の山窩へなりと屯(たむ)ろして、ロビンフツドの夢を実現させようではないか、音無(おとなし)の酒倉を襲つてやれ、太十の金庫を覆へしてやらう、奴等の財宝は悉く俺達のものも同様なのだ――私達は海よりも広い安心の夢に抜手を翻して、「一身(シン)軽舟(ケイシウ)ト為(ナ)リ落日(ラクジツ)西山(セイザン)ノ際(キワ)常(ツネ)ニ帆影(ハンエイ)ニ随(シタガヒ)テ去(サ)リ 遠ク長天ノ勢ヒニ接ス」と歌ひながら、大道狭しと肩で風を切つてはおし歩き、「芙蓉(フヨウ)モ及(シ)カズ美人(ビジン)ノ妝(ヨソホ)ヒ水殿(スヰデン)風(カゼ)来(キタ)リテ珠翠(シユスヰ)香(カンバ)シ」などゝ歌ひつゝ、メイ子の膝に枕した...
牧野信一 「武者窓日記」
...定めし俺達の奇智に人々は舌を巻くだらうが!」「奴が俺達の酒宴に媚を呈して大酒を浴びた魂胆は...
牧野信一 「武者窓日記」
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