...そうしてあなたに失礼なおもひをいたしまして...
伊藤野枝 「書簡 山田邦子宛」
...失礼ながら今の今まで...
海野十三 「海底大陸」
...失礼ながら、あなたは無垢(むく)です...
太宰治 「風の便り」
...ロザリオ青年としてははなはだ失礼な言い草ですが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...甚(はなは)だ失礼なことを企(たく)らんだ時...
辰野九紫 「青バスの女」
...「失礼な、ことを、させておる」丁度、帰省していて、その席に居合わせていた父が、怒りを含めた声でそう言った...
外村繁 「澪標」
...失礼ながらお名乗りを承りたい」この時に神尾主膳が駕籠の垂(たれ)を上げて外を見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかも敬太郎を前に置いて、「あなたなんざあ、失礼ながら、まだ学校を出たばかりで本当の世の中は御存じないんだからね...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...失礼なことを言ったでしょう...
久生十蘭 「あなたも私も」
...至尊の御身上であっては、その御用心はけだし当然なのでござりましょう」といって部屋を出て行くと、間もなく古風な手提鞄を提げて戻って来、キチンと整頓された隔劃(しきり)の中からウイグ・ニスと毛束を取出し、失礼ながら、といって加十の顎にニスを塗ると、細いピンセットを使って丹念に一本ずつ髯を植え始めた...
久生十蘭 「魔都」
...失礼ながらチャールズ卿はとても軽率な紳士でしたから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...「まあ失礼な、そんなことお言いなら、私のほうの先約は、何カ月前からだか、わかりはしない」「それは、あなた様が御勝手に独りぎめをなさったのでございます...
正岡容 「圓朝花火」
...失礼な推測をしてましたよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私を失礼な女と思召(おぼしめ)すのでございましたら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...失礼なお席でございますこと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おまけにこんな失礼ななりでともことわらぬようだが...
柳田国男 「雪国の春」
...落語家の綽名尽し和やかだった寄席気分綽名(あだな)はほんらい失礼な代物だが...
山本笑月 「明治世相百話」
...正成にとって思わぬ知己(ちき)というものだの」「一つには、私が、かの笠置(かさぎ)の戦雲いらい、御領下の民情は申すにおよばず、失礼ながら、正成どのと申すお方の人となりや御一族の内状までを、つぶさに探ッては主君の許へ密報していたことにもよりまする...
吉川英治 「私本太平記」
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