...わざと先輩という失礼な普通名詞を使用するのである...
太宰治 「帰去来」
...失礼なことばかり言って...
太宰治 「火の鳥」
...失礼ながら私より一つか二つ上のように伺っておりましたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...チェレピーツィンさん(名まえをまちがえて呼ぶのはたいへん失礼なことである)の外套をお取りして! やれやれ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「少年たち」
...失礼ながら君の心棒も...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...しかし、失礼ながら、われわれはお互いにまだ十分話し合わなければならない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...失礼ながらいくらでも...
中里介山 「大菩薩峠」
...失礼ながらあなたのお顎に...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...失礼ながらチャールズ卿はとても軽率な紳士でしたから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...「候――」をそろと軽くひびかせて、「殿のご心中、即ち、われらの真意を知るものも無きにしもあらず、おいおいご同意なされ候方々、左記の通りにござ候、――柳川源達どの、同じく春勝どの、岩橋貞助どの、岩崎栄太郎どの、同じく久治どの」「ああ、もし」と誰かが手をあげた、「失礼ながら、そこのところをもちっと、ご悠(ゆる)りとお聞かせ下さらぬか」読み手は唇を湿した...
本庄陸男 「石狩川」
...失礼な...
牧野信一 「鏡地獄」
...失礼ながら書中にて御礼申し上げます...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...やがて面をあげると、「お赦(ゆる)し下され」と嗄(かす)れた声で、「急用を忘れて居りました、甚だ失礼ながら、今日は是にて」「まあ宜いではござらぬか」「いや、急ぎの用事ゆえ」と孫次郎は座を辷(すべ)り、「お菓子は頂戴仕る」そう云って敷紙へ菓子を包むと、「ではもう一杯茶を召上って、――」と云う源左衛門の言葉を、振切るようにして立上った...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...などという失礼な通言があった...
山本周五郎 「七日七夜」
...――失礼な人だな...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...失礼ながら、何尺おありになりますか」下野は、少しも動ぜずに、すぐこう答えた...
吉川英治 「上杉謙信」
...早くも山林に隠操(いんそう)をお求めになるなどとは――失礼ながら...
吉川英治 「三国志」
...――失礼ながら、あなた様は、お草履取であるときは、お草履取の職分に万念(ばんねん)をつくし、また、一士分の身であるときは一士分の職分に全能をつくし、決して、徒(いたず)らに上ばかり見て足を浮かしているような妄想家ではおわさなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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