...お祖母様(ばあさま)にも失礼な...
泉鏡花 「薄紅梅」
...貴方は失礼ながら...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...恋人同志が一年にいちど相逢う姿を、遠目鏡などで眺めるのは、実に失礼な、また露骨な下品な態度だと思っていた...
太宰治 「作家の手帖」
...失礼ながら、みなさん一様に貧乏なのを、わしひとり十両の仕合せにめぐまれて、天道(てんとう)さまにも御一同にも相すまなく、心苦しくて落ちつかず、酒でも飲まなけりゃ、やり切れなくなって、今夕御一同を御招待して、わしの過分の仕合せの厄払(やくはら)いをしようとしたのに、さらにまた降ってわいた奇妙な災難、十両でさえ持てあましている男に、意地悪く、もう一両押しつけるとは、御一同も人が悪すぎますぞ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...もう越後獅子(えちごじし)なんて失礼な綽名(あだな)では呼べなくなった...
太宰治 「パンドラの匣」
...こう云う失礼な間道をくゞって迄その望みを遂げることは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...失礼なと思った...
豊島与志雄 「足」
...失礼ながら御案内をいたしましょう」「では頼みましょうか」そこで...
中里介山 「大菩薩峠」
...……失礼なことを申すようですが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...となりの部屋でただ聞いているには忍びなくなって飛び出し“何という失礼なことをあなたは老人になさるんです! お帰りなさい...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...だれがいつどんな不心得をして失礼な媒介役を勤めるかもしれません...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「失礼な場所でございますが」と...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...子供集めや雑用品は失礼ながら手前の方で致します」「御厚志なんとも忝のうござる」話が出来て六兵衛が立つと...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...失礼な言葉か存じませぬけれども...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...ほん当に失礼なんですけど...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...それは失礼ながら素人考えで……この少女は瓦片(かわらぎれ)や竹の棒なぞを...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「失礼なことお訊きするようですが...
横光利一 「旅愁」
...われわれ敵方より見ても、この一城だに陥(おと)せば、北伊勢は崩れ、北伊勢を攻め奪(と)って、一挙、神戸(かんべ)の本城をとり囲めば、神戸御一族は、失礼ながら、網の中から魚を獲るようなものと、作戦着々取りすすめておる次第でござる」「ムムム」弾正は、それを否定しなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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