...薄地セルの華奢な背広を着た太った姿が...
有島武郎 「かんかん虫」
...別の少佐(太った人で工兵の襟章をつけていた)がジープを運転して走る後から...
石川欣一 「比島投降記」
...〈あのチンドン爺さんは面白いなあ〉内山という六十ぐらいの太った爺さんで...
梅崎春生 「幻化」
...洋服が突然猿臂(えんぴ)を伸ばして――全くえんぴという感じだった――太った男の手をとった...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...でっぷり太った男が立っているでしょう? 眼鏡をかけているのが...
太宰治 「小さいアルバム」
...病気以前より太ったせいでもあるらしかったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...其の太った赭(あか)ら顔には...
谷崎潤一郎 「幇間」
...片手で先生の太った臀をぴし/\と打った...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...そばには太った癇癪(かんしゃく)もちのかみさんが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ねむい」
...すばらしく肥え太ったメン鶏にでも生れかわってくれないかぎり...
林芙美子 「新版 放浪記」
...太ったバッタのような雌は...
林芙美子 「泣虫小僧」
...長い細腕で太った体をねじる有様は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...太ったその仕事師はびくつかなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...洋服の太った男があかい八字ひげをぴくぴくさせて出て来た...
本庄陸男 「石狩川」
...太った鈴木隆助の胸に阿賀妻謙の名が彫りきざまれたのである...
本庄陸男 「石狩川」
...さっきはいなかった太った紫のプラトークの女がそばにいて...
「赤い貨車」
...呑気(のんき)そうに太った防護団のおっちゃんが云っている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...――肥え太った躯に派手すぎる小袖を着...
山本周五郎 「五瓣の椿」
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