...それから麦酒樽(ビイルだる)の天水桶(てんすいおけ)の上に乾(ほ)し忘れたままの爪革(つまかわ)だった...
芥川龍之介 「保吉の手帳から」
...屋根の雪の天水桶を志して...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...横手に据えられた天水桶(てんすいおけ)代りの青銅の鉢といい...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...汚い天水桶の上には鳥の柔毛(にこげ)が浮んでいた...
田中貢太郎 「春心」
...天水桶のあたりへ再びうろついて来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友の隠れている天水桶の前を...
中里介山 「大菩薩峠」
...天水桶から飛び出したのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...天水桶(てんすいおけ)を攪(か)き混(ま)ぜたくらいの価値はその色の上において充分あらわれている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あの大きい天水桶(てんすいおけ)はなくなっていた...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...天水桶から水を汲み出して消しましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...表に積んだ天水桶に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...屋根の上の天水桶の中まで見ましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...常に大空を映す天水桶は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...海老床の前の天水桶(てんすゐをけ)――あの水がやけに濁つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...天水桶の蔭へ私と並んで立って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見つけた天水桶――黒く...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「旦那さま、お約束のところまで――」と、先棒が、汗をぬぐって、いいかけたとき、突然、天水桶の間から、ぬっと魔物のように現れて、ふところに、右手を――恐らく、匕首(あいくち)の柄(つか)をつかみしめているのであろう――つかつかと、かごに歩み寄った長崎屋――その、髷(まげ)がゆがみ、鬢(びん)はみだれ胸元もあらわなすがたに、びっくりして、かごかきが――「わりゃあ、何だ? 気ちげえか――」息杖を取りなおすひまもない――キラリと、白く、冷たく光る短い刃が、鼻先きにつき出されたので、「わああッ!」と、後、先、そろって、大の男が、しかもからだ中、文身(がまん)を散らしているのが、一どきに、五間も飛び退いてしまう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...と――そこの天水桶の見える軒下から...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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