...天保銭を車に積んで切通しを飛んだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...天保銭(てんぽうせん)一つ使賃で...
泉鏡花 「歌行燈」
...一天保銭(てんぽうせん)の出来た時代と今と比べると...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...ベンチに大きな天保銭(てんぽうせん)の形がくっつけてある...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...どちらでもいいほうを取れと言ったらはっきりと天保銭を選んだといううわさがあった...
寺田寅彦 「物売りの声」
...「天保銭」をねらわず...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...もっとも身体の真中に天保銭型の暗紫色の斑点があるので...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...「間違いなんかいたしません、百八十五円(え)ン」事面倒と見て、切口上にまくし立てる女給の前へ、かくしから掴み出した、金銀銅銭をザラリと撒いて、「サア、この中から好きな丈(だ)け取ってくれ」「アッ」女給は驚いたわけ、その一(ひ)と掴みの金銀銅銭というのは、悉(ことごと)く古銭ばかり、小判、二分金、一朱銀、天保銭から、文久銭、駒曳銭(こまひきぜに)もあれば、永楽銭もあるという有様、選(よ)りわける迄(まで)もなく、今日通用する金は一枚も交っては居ません...
野村胡堂 「古銭の謎」
...壱銭銅貨位のや天保銭位の大きさのを買ってもらって悦んだが...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...瑞々(みずみず)と結い上げてやったお六の頭が見るも浅ましくところ斑(まんだら)に天保銭ほどの禿になっている...
正岡容 「寄席」
...勝ったものには天保銭一枚の纏頭(はな)を遣りなどした...
森鴎外 「細木香以」
...戸長はようよう天保銭一枚を受け取って...
森鴎外 「渋江抽斎」
...天保銭だけは八文だということを知っていても...
柳田国男 「故郷七十年」
...天保銭掛取りは天秤棒でかつぎ回った天保銭(てんぽうせん)といえば今でも少々頭の足りない人間を連想する...
山本笑月 「明治世相百話」
...街の子たちは天保銭を貰うと威勢が違う...
山本笑月 「明治世相百話」
...「天保銭一枚がもう無くなった」というのは疾(とう)の昔の事...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...天保銭(てんぽうせん)か...
吉川英治 「松のや露八」
...天保銭(てんぽうせん)一枚...
吉川英治 「松のや露八」
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