...寒暑并び行はれて天の時とゝのひ...
大町桂月 「日月喩」
...吾人はこれを希望す、もし今日よりしてかの封建世界の訓言たるいかなる場合にても決して一国生活の必要を他に仰ぐべからずという固陋(ころう)なる悪習を去り、天地広大、四海兄弟(けいてい)、天の時に従い、地の利に随い、分業の便宜をば世界を通じて適用するの自由貿易主義に則(のっと)り、この耕地はもとより山腹水涯、ことごとく桑園茶圃ならざるはなく、わが邦を挙げて養蚕の世界、生糸の故郷となさばわが邦の繁栄もまた期すべきなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...あに天の時を得、地の利を得、人の和を得、自然の傾向に従い、自然の職業をなすがごときこと行なわれんや...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...もとより、それは素質とも相関係しましょう」「もちろん、天の時、地の利と言いますが、江州人には、天の不祥時と地の不利益の場合に、恵まれるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...天の時も地の利も我が方にあったのに拘らず...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...葦辺行く鴨の羽交に霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ(志貴皇子)倭(やまと)恋ひ寝(い)の寝(ね)らえぬにこころなくこの洲の崎に鶴(たづ)鳴くべしや(文武天皇)うらさぶる心さまねし久方の天の時雨の流らふ見れば(長田王?)これらの秀歌は...
三好達治 「万葉集の恋歌に就て」
...第二章は「魚を釣るには雨天の時をよろしとするか...
柳田国男 「故郷七十年」
...殆ど全部が雨天の時に長靴をはくようになった...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...云う迄もなく震災後には特別に繁華になったので、雨天の時なぞ、こんな自動車が警察除(よ)け(これは自動車のタイヤの横に警察の命令で取り付けたハネ押えの異名で、何の役にも立たぬが多いから、運転手仲間でこう名付けている)をふりまわしながら、電車と一所(いっしょ)に泥煙を揚げて群衆に突貫して行く光景は、壮観? というも愚かである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...天の時と、地の利と、人である...
吉川英治 「三国志」
...千里を翔(か)けても珠(たま)なき樹には棲(す)まずというわれ困(こう)じて一方を守り英主にあらねば依らじとし自ら隴畝(ろうほ)を耕していささか琴書(きんしょ)に心をなぐさめ詩を詠じて鬱(うつ)を放ち以て天の時を待つ一朝明主に逢うあらば何の遅きことやあらん……玄徳はそっと階をのぼって...
吉川英治 「三国志」
...天の時でしょうか...
吉川英治 「三国志」
...すなわち天の時を得たものであり...
吉川英治 「三国志」
...呉は天の時を計って...
吉川英治 「三国志」
...天の時がきたのだ...
吉川英治 「三国志」
...「――あわれむべし、周瑜(しゅうゆ)も魯粛(ろしゅく)も、天の時を知らず、運の尽きるを知らぬ...
吉川英治 「三国志」
...まず天の時を説き...
吉川英治 「三国志」
...規模の大、敵の意表外を突くの策など、すべて兵法の、天の時、地の利、人の妙用などに、かなっている...
吉川英治 「新・水滸伝」
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