...それでも頭瘡(づさう)の臭気をたよりに...
芥川龍之介 「庭」
...長崎渡りの珍菓として賞(め)でられた軽焼があまねく世間に広がったは疱瘡(ほうそう)痲疹(はしか)の流行が原因していた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...疱瘡は容貌(きりょう)定めといったくらいにこの二疫を小児の健康の関門として恐れていた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...就中(なかんずく)疱瘡は津々浦々まで種痘が行われる今日では到底想像しかねるほど猛列に流行し...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...その瘡蓋を拾い集めて手の中へ入れて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そこへ或年疱瘡が流行してきました...
知里真志保 「アイヌ宗教成立の史的背景」
...私は身体ぢゆうのふきでものを痒がつて夜も昼もおちおち眠らないもので糠袋へ小豆を包んで母と伯母とがかはるがはる瘡蓋(かさぶた)のうへをたたいてくれると小鼻をひこつかせてさも気もちよささうにしたといふ...
中勘助 「銀の匙」
...彼(かれ)は自分(じぶん)の瘡痍(きず)が輕(かる)く醫者(いしや)から宣告(せんこく)された時(とき)は何(なん)となく安心(あんしん)されたのであつたが...
長塚節 「土」
...松皮疱瘡(まつかわぼうそう)でひどい大菊石(おおあばた)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この春から瘡毒(さうどく)で足が立たなくなりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...凍瘡(しもやけ)のいたがゆいやうな雨のふる宵に風呂から出て...
長谷川時雨 「春」
...頭はぞっとするような吹出物と瘡蓋(クルート)に蔽われ...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...どうやら梅瘡(ばいそう)の所以らしいと見込みをつけた...
久生十蘭 「玉取物語」
...幸いなるかな、殿上(でんじょう)の御腫物は良性でござって、梅瘡にも、労性(ろうしょう)にも、癌腫にもその方の悪性の筋をひいていないから、仮りに小児頭大(しょうにずだい)の極度に及ぶにしても、そこまで行くには半年や十月の余裕があるものと見てよい...
久生十蘭 「玉取物語」
...しかも美しい鶉の声にとう/\疱瘡の神は烈(はげ)しい風に吹きとばされる雲のやうに追ひのけられ...
宮原晃一郎 「孝行鶉の話」
...面は黒疱瘡(くろぼうそう)のあとでボツボツだらけだし...
吉川英治 「三国志」
...華陀は瘡(きず)を切開しにかかった...
吉川英治 「三国志」
...フェージャは水疱瘡にかかり...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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