...なれど隠者は悪魔(ぢやぼ)の障碍(しやうげ)が猶(なほ)もあるべいと思うたれば、夜もすがら御経の力にすがり奉つて、目蓋(まぶた)も合はさいで明(あか)いたに、やがてしらしら明けと覚しい頃、誰やら柴の扉(とぼそ)をおとづれるものがあつたによつて、十字架(くるす)を片手に立ち出でて見たれば、これは又何ぞや、藁屋の前に蹲(うづくま)つて、恭(うやうや)しげに時儀(じぎ)を致いて居つたは、天から降つたか、地から湧いたか、小山のやうな大男ぢや...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...嘘(うそ)のように明るい日光が天から落ちて来た...
梅崎春生 「日の果て」
...天から降ってくる雪を...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...立派な才能を天から与えられながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...この手紙の内容が全く天から落ちたものででもあるように意外に思われた...
寺田寅彦 「埋もれた漱石伝記資料」
...科学が何か天から降って来たかのように...
戸坂潤 「技術の哲学」
...まあ私は天から落ちてきたとしておいてもらいたい...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...時計が遥(はる)かな天から隕石(いんせき)のように落ちて来て...
夏目漱石 「虞美人草」
...その所有者の天から稟(う)けた諧謔趣味(かいぎゃくしゅみ)のために...
夏目漱石 「明暗」
...天から下さるものだけを頂いて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...脳天から声が漏れるのを気にするように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何か光ったものが天から降って来て...
武者金吉 「地震なまず」
...天から受けた幸福に満足してあえて人をうらやまず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...また天からも地からも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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山之口貘 「鮪に鰯」
...天から降ったような巨大な印度人が突立っている...
夢野久作 「冥土行進曲」
...どの酒舗(バア)にも茶店(カフエエ)にも早天から客が詰め掛けて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...天から授(さず)かり物のような今夜の使の話なのである...
吉川英治 「魚紋」
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