...またつとめて勇気を振い起し大願成就なさしめたまえと明神の祠(ほこら)を遙拝(ようはい)して...
饗庭篁村 「良夜」
...私(わたくし)大願成就仕りましたような心持で...
泉鏡花 「婦系図」
...「大願成就だ...
海野十三 「くろがね天狗」
...これでもう大願成就(たいがんじょうじゅ)だ」という次第で...
海野十三 「地軸作戦」
...大願成就の暁には...
薄田泣菫 「茶話」
...慾張り爺さんが一銭で大願成就を神様に押しつけるやうにさ!此宿も悪くないけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...おまけに途中には渡船場さへあつた! 今や、大願成就である...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ようやく大願成就したのだ...
中勘助 「胆石」
...角行様は大願成就とお喜びになりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...大願成就と思うとこの始末だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――切られた奴の顔が見度いネ」「あれが千になると大願成就だとよ」「何んの願を掛けて居るんだろう」指さして笑うのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――切られた奴の顏が見度いネ」「あれが千になると大願成就だとよ」「何んの願を掛けて居るんだらう」指さして笑ふのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いまや大願成就して...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...衣食さえ出来れば大願成就と思(おもっ)て居た処に...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...私の為(た)めには第二の大願成就と云(い)わねばならぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...○長い長い話をつづめていうと、昔天竺(てんじく)に閼伽衛奴(あかいぬ)国という国があって、そこの王を和奴和奴王というた、この王もこの国の民も非常に犬を愛する風であったがその国に一人の男があって王の愛犬を殺すという騒ぎが起った、その罪でもってこの者は死刑に処せられたばかりでなく、次の世には粟散辺土(ぞくさんへんど)の日本という島の信州という寒い国の犬と生れ変った、ところが信州は山国で肴(さかな)などという者はないので、この犬は姨捨山(うばすてやま)へ往て、山に捨てられたのを喰うて生きて居るというような浅ましい境涯であった、しかるに八十八人目の姨を喰うてしもうた時ふと夕方の一番星の光を見て悟る所があって、犬の分際(ぶんざい)で人間を喰うというのは罪の深い事だと気が付いた、そこで直様(すぐさま)善光寺へ駈(か)けつけて、段々今までの罪を懺悔(ざんげ)した上で、どうか人間に生れたいと願うた、七日七夜、椽の下でお通夜して、今日満願というその夜に、小い阿弥陀(あみだ)様が犬の枕上に立たれて、一念発起の功徳(くどく)に汝が願い叶(かな)え得さすべし、信心怠(おこた)りなく勤めよ、如是畜生発菩提心、善哉善哉、と仰せられると見て夢はさめた、犬はこのお告(つげ)に力を得て、さらば諸国の霊場を巡礼して、一は、自分が喰い殺したる姨の菩提を弔(とむら)い、一は、人間に生れたいという未来の大願を成就(じょうじゅ)したい、と思うて、処々経めぐりながら終に四国へ渡った、ここには八十八個所の霊場のある処で、一個所参れば一人喰い殺した罪が亡びる、二個所参れば二人喰い殺した罪が亡びるようにと、南無大師遍照金剛と吠(ほ)えながら駈け廻った、八十七個所は落ちなく巡って今一個所という真際(まぎわ)になって気のゆるんだ者か、そのお寺の門前ではたと倒れた、それを如何にも残念と思うた様子で、喘(あえ)ぎ喘ぎ頭を挙げて見ると、目の前に鼻の欠けた地蔵様が立ってござるので、その地蔵様に向いて、未来は必ず人間界に行かれるよう六道の辻へ目じるしの札を立てて下さいませ、この願いが叶いましたら、人間になって後、きっと赤い唐縮緬(とうちりめん)の涎掛(よだれかけ)を上げます、というお願をかけた、すると地蔵様が、汝の願い聞き届ける、大願成就、とおっしゃった、大願成就と聞いて、犬は嬉しくてたまらんので、三度うなってくるくるとまわって死んでしもうた、やがて何処よりともなく八十八羽の鴉(からす)が集まって来て犬の腹ともいわず顔ともいわず喰いに喰う事は実にすさましい有様であったので、通りかかりの旅僧がそれを気の毒に思うて犬の屍(しかばね)を埋めてやった、それを見て地蔵様がいわれるには、八十八羽の鴉は八十八人の姨の怨霊(おんりょう)である、それが復讐(ふくしゅう)に来たのであるから勝手に喰わせて置けば過去の罪が消えて未来の障(さわ)りがなくなるのであった、それを埋めてやったのは慈悲なようであってかえって慈悲でないのであるけれども、これも定業(じょうごう)の尽きぬ故なら仕方がない、これじゃ次の世に人間に生れても、病気と貧乏とで一生困(くるし)められるばかりで、到底ろくたまな人間になる事は出来まい、とおっしゃった、…………………というような、こんな犬があって、それが生れ変って僕になったのではあるまいか、その証拠には、足が全く立たんので、僅(わずか)に犬のように這い廻って居るのである...
正岡子規 「犬」
...「いよいよ大願成就だ」と彼は云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...素懐(そかい)の大願成就の願文を捧げていただくように...
吉川英治 「源頼朝」
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