...千両函(ばこ)、大福帳、蕪(かぶ)、隠れ蓑(みの)、隠れ笠(がさ)、おかめの面(めん)などの宝尽くしが張子紙で出来て、それをいろいろな絵具(えのぐ)で塗り附ける...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...やたらに大福帳をめくって意味も無く算盤(そろばん)をぱちぱちやって...
太宰治 「新釈諸国噺」
...と大福帳やら算盤(そろばん)を押しつければ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...今なお古風な大福帳なぞのぶら下げてある「越前屋」といえば...
橘外男 「蒲団」
...入用がありゃ云ってやる」「五六日前」「そうだ」「それはどこでしょうか」「大福帳へでも書きつけるつもりかね」広栄は返事をしなかった...
田中貢太郎 「春心」
...一茶……執着大福帳...
種田山頭火 「其中日記」
...當時開成所版の辭書(大福帳型)は十二三兩の値段だつたから...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...當時の學生が大福帳型の教科書の洋活字の一方に筆で和解して日本文字を書きこんでいつた事實をおもふとき...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...その命名も、たとえば、拍子木座と言い、団扇座(うちわざ)と言い、人形座と言い、大福帳と言い、両国橋と言い――そうして、毎夜毎夜、その独特の頭を以て、星座を眺めては、即興的に出鱈目(でたらめ)の歌をうたうことは少しも改まりませんから、駒井が呆(あき)れてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...大福帳をここには「大腹帳」と書いたところに趣意がありそうなのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...大福帳のやうな形で...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...この字は誰の筆跡(て)だえ」平次は土の中から出た大福帳の端つこを見せました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この間見たばかりの大福帳仕入帳などをパラパラ繰って行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大福帳を撫でてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其處では三五郎とその子分達が、家中の大福帳、手紙日記、書出し、など、いろ/\のものを集めて、筆蹟の鑑定に夢中でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...側(そば)にありたる大福帳を引きよせ...
南方熊楠 「失うた帳面を記憶力で書き復した人」
...急に黙りこみ永いことシンと坐っていましたその末にヒョイと立って本堂の方に行ってやがて何か大福帳のような横長にとじた古い古い帳面を持って来て私の枕元にドサリと置いてまんなかどころを開きました「お前がそこまで言うのならばわたしもハッキリ話してあげよういずれお前もこのことはちゃんと知っていてこの寺を末始終...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...厚さ大福帳の如きものが当時二円五十銭...
山本笑月 「明治世相百話」
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