...とび起きて大戸のくぐりを引あけると...
石川欣一 「山を思う」
...次に大戸或子(おほとまどひこ)の神...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
......
武田祐吉 「古事記」
...南は大戸瀬崎まで...
太宰治 「津軽」
...トントントンとかすかに店の大戸を叩くものがございました...
橘外男 「蒲団」
...だんなさま……台所の大戸が大穴をあけられておりますぞ……わあっ...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...大戸を下して一家中が山の上に逃げた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...階下は銀座の表通から色硝子(いろガラス)の大戸をあけて入る見通しの広い一室で...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...大戸の中をやや離れて覗(のぞ)き込むようにしていたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次は土藏の大戸を開けて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内廊下が尽きると離屋(はなれ)の入口で、樫の大戸が、どんな事をして打ち破ったものか、滅茶滅茶に叩きこわされ、中には、急いでやって来たらしい和服着流し姿の中年の医者が、係官の来るのを待つともなく、少し職業的な冷たさを装って、小栗桂三郎の死体を護って居ります...
野村胡堂 「流行作家の死」
...大戸片里と露月庵に歓娯する事緑蔭にほの白く匂う空木(うつぎ)の花もすでに朽ち...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...それも誇りの一つであるように――「店の大戸を下ろすはおろか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...平気な三郎兵衛――――トン、トン、トン、トン!と、大戸を叩いて、「お願いだ! あけてくれ!」――トン、トン、トン!「松枝町からまいッた! 広海屋! あけてくれ!」いつか、平之進の、頭巾を奪って、顔だけ包んで、臆病窓のところへ、わざとその頭を近づけて置いて、武士らしい作りごえ――「おい、広海屋! 急用じゃ! 松枝町じゃ――」松枝町とは、勿論、土部三斎屋敷を言っているのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...大戸棚の中にころがし込んで...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...教室の大戸は閉されて宿直室にのみ灯がともっている...
森於菟 「屍体異変」
...そこでむしゃくしゃ腹にどてらを羽織って出て大戸をあけるなり「今頃になって誰だ」と怒鳴った...
森於菟 「屍体異変」
...質屋と物産交易を兼ねた老舗(しにせ)看板の金箔(はく)も古いわが家の宵の大戸をドンドン叩いた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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