...とび起きて大戸のくぐりを引あけると...
石川欣一 「山を思う」
...重い大戸のあけたては...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...賊は滅多に開かれぬ、美術館の大戸が、昨日(きのう)大使一行の為に開かれるのを待ち構えていたのではありますまいか...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...房総(ぼうそう)半島の東がわにある大戸(おおと)村の沖あいでおこなわれていました...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...大戸を下して一家中が山の上に逃げた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...大戸がしめきってある石の門...
豊島与志雄 「常識」
...その表の大戸の方をしきりに押してみました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その大戸の方の戸をしきりにガタつかせていた追手の胡見沢は...
中里介山 「大菩薩峠」
...入口のすりガラスの大戸の前には...
新美南吉 「いぼ」
...大戸を開けて百姓家らしい土間へ入つた平次も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は土藏の大戸を開けて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...半分は大戸を下ろしてありますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜の八時にはもう大戸を閉めてしまって...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...十二間間口の半(なかば)まで大戸をおろし...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...大戸前の表の戸を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...一樣に大戸が下りて...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...閉めた店の大戸に貼(は)った「売り家」の字などが眼につかないことはなかった...
山本周五郎 「さぶ」
...ふと、蔵の戸前(とまえ)をふり仰いで、そこの鉄錠(てつじょう)がはずされているのを見つけるや否、「おおっ!」かれは、仰(の)けぞるばかりに仰天(ぎょうてん)して、なんの躊躇(ためら)いもなく、六尺棒を小脇にしたまま、正面六、七段の石だんを、トン、トン、トンと勢いよく馳け上がってゆきましたが――それとほとんど同時に、目の前の大戸が、あたかも雷車の如き音を立って、グワラッグワラッグワラッと一気に押ッ開(ぴら)かれたのです...
吉川英治 「江戸三国志」
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