...遽(にわか)に大患に罹(かか)りてその事を果すを得ず...
石河幹明 「福翁自伝」
...死ぬような大患いを二度もなすったばかりでなく...
谷崎潤一郎 「途上」
...夫は彼女の枕許(まくらもと)で彼女が夫の不注意からこう云う大患になったことを詫(あやま)りましたが...
谷崎潤一郎 「途上」
...その夏子供が大患(おおわずら)いをした...
徳田秋声 「黴」
...遂に大患にもなったのであるから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...丁度この時代は先生が胃潰瘍の大患から恢復されて...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...以上の話は、先生が大患以後、活力をとり戻され、それが異常な発展をとげて、絢爛(けんらん)たる研究生活にはいられる転換期の四、五年間のことを主に書いたことになる...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...大患に罹(かか)って生か死かと騒がれる余に...
夏目漱石 「思い出す事など」
...ところが余り暑い盛りに大患後の身体(からだ)をぶっ通(とお)しに使うのはどんなものだろうという親切な心配をしてくれる人が出て来たので...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...私は一生に一度の大患(おおわずら)いをした...
野村胡堂 「胡堂百話」
...俄(にはか)に大患(たいくわん)を發したのと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其袂草の毒に感じて大患に罹りたることあり...
福沢諭吉 「新女大学」
...不自由なる牢獄にて大患に罹(かか)りし事とて...
福田英子 「妾の半生涯」
...芝居生活に入って九年目、初めての大患...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それを約しながら強(し)いて履行を避けたのは、かくいう曹操であって、彼ではない」「でも今――みすみす彼が河北へ走るのを見のがしては、後日の大患、虎を野へ放つも同様ではありませぬか」「さりとて、追討ちかけて、彼を殺せば、天下の人みな曹操の不信を鳴らすであろう...
吉川英治 「三国志」
...これは先年、大患のとき、医師が「蓄髪はおよろしからず」と、すすめたことからの剃髪で、べつに出家発心(しゅっけほっしん)のためではない...
吉川英治 「私本太平記」
...平家の全勢力を掃滅(そうめつ)しておかなければ後日の大患と考えていたのである...
吉川英治 「源頼朝」
...国許(くにもと)の父が大患での」「石舟斎様には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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