...それで大儀ながらわたしの家(うち)へ往って...
田中貢太郎 「女仙」
...大儀ながら叔母ちゃんが行って話してほしいと云うことで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何をするにも大儀なのであるらしく思えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いったい死ぬほどに意気銷沈(いきしょうちん)したものなら首くくりの縄(なわ)を懸けるさえ大儀な気がしそうである...
寺田寅彦 「柿の種」
...大儀な身体を動かせそうにもないと...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...新しく何物かを調べてお話をするといふやうな大儀なことは叶ひませんから...
内藤湖南 「支那歴史的思想の起源」
...それから、手前の務と致しまして、亡き後の物品の処置方、帳面の整理、引合せ等、いろいろの、短い時日の内に、山の如くござりますゆえ、御大儀ながら、その辺、御意見をお洩らし下されますよう――」斉興は、俯向いて、じっと、調所の言葉を聞いていたが「忝(かたじけ)ないぞ」と、低く呟いた声は、湿っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...大儀ながら御自身に立って...
中里介山 「大菩薩峠」
...本所の相生町まではかなり大儀な道だけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...後日の言いわけが相立たぬ」「それもそうでござりますな」「大儀ながら番人に申し入れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕はなんだか身體がへんに大儀なのでためしに熱を測つて見たら...
堀辰雄 「山日記 その二」
...家の中の立居振舞は大儀などでなく...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...馬に乗るのが大儀な場合は逗留する...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...大儀ながらこの三品を渡して遣わしてくれぬか」と...
吉川英治 「剣難女難」
...「大儀ながら、廬中へ取次いでもらいたい...
吉川英治 「三国志」
...たびたび労をわずらわして、大儀ながら、先生に報じくれぬか...
吉川英治 「三国志」
...わざわざ不破(ふわ)より横道して来たわけで」「それはそれは御大儀な」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...部屋の中を歩くのすら大儀な有樣となつた...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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