...―――これから床屋へ出かけて行くのは大儀だから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...「口を利くのは大儀だが...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...そんな不確かな事柄に思いをはせるのは大儀だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...妹は大儀だもので用事のほかにはよっぽど気分のいいときででもなければそばにいる私にも話しかけない...
中勘助 「妹の死」
...女が悪いのでございます、罪は女にあるのでございます、殿様がお悪いのではございませぬ」「何をいっているのだ、そういう話は、もうよそうではないか……実は、こうやって急に思い立って尋ねて来たのは、少々、捜(さが)してみたいものがあってのことじゃ、大儀だが、奥の書物庫へ案内してもらいたい」「畏(かしこ)まりました、何ぞ、お書物でもお取出しになりますか」「書物をさがしに来たのだ、急に読みたいことがあって……」「では、早速御案内を仕(つかまつ)りましょう」一学は、久しぶりで主人にあって、まだまだいいたいことが山ほどある気色(けしき)なのを、主人がむしろ、それを避けたがる様子と、ともかくも書物庫へ、急の用件があるらしいのとで、ぜひなく、提灯(ちょうちん)を用意し、預かりの鍵をたずさえて、この座敷を出かけました...
中里介山 「大菩薩峠」
...田舎まはりの旅費だつて大儀だからね」「だつて...
林芙美子 「朝夕」
...寒い風の吹いている戸外へ出るのが大儀だったのか...
松本泰 「日蔭の街」
...どうも傷が病(や)んで大儀だ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...大儀だのう」「どういたしまして」「どこやら風に青葉のにおいがする...
吉川英治 「江戸三国志」
...では一風呂浴びようか」「ここへ履(は)き物を置いとくぜ」「大儀だのう」「え...
吉川英治 「江戸三国志」
...大儀だった主膳」主膳は始終おもてを上げず...
吉川英治 「私本太平記」
...さっそくこれへやって来たわけでございまする」「大儀だった」正成が代って...
吉川英治 「私本太平記」
...「尼前(あまぜ)」「はい」「大儀だった...
吉川英治 「私本太平記」
...大儀だったな」「いえ...
吉川英治 「私本太平記」
...将来の聯携(れんけい)を約されたというか」「御意にございます」「大儀だった」ここまで聞いてから信長ははじめて...
吉川英治 「新書太閤記」
...大儀だった」「岐阜の御金蔵の鳥目(ちょうもく)一万六千貫...
吉川英治 「新書太閤記」
...信長は、「みな、大儀だな...
吉川英治 「新書太閤記」
...一切』『大儀だった』明日(あした)の集合の廻状をまわして来たのである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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