...馬鹿馬鹿しさにテレながら大上段に振りかざしているのを見ると...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...示現流の使手として、斬るか、斬られるか、一挙に、勝負を決しようとする手であった――果して「やっ、やっ、やっ」一木は、つづけざまに叫ぶと、刀尖で、地をたたきつけるように、斬り刻むように、両手で、烈しく振って「ええいっ」山の空気を引裂いて、忽ち大上段に、振りかざすと、身体ぐるみ、奈良崎へ、躍りかかった...
直木三十五 「南国太平記」
...双刃(もろは)の剣を大上段に...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...そこへ直れい」大柄の一人は早くも入口を塞(ふさ)いで大上段に振り冠(かぶ)り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それへ直れ」大柄の一人は早くも入口を塞(ふさ)いで大上段に振り冠り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大上段の大見得であつた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...大上段に振り翳されて合図を待つてゐた八重の槌が火花の中に振り落された...
牧野信一 「南風譜」
...工夫の方向を精神的絶壁に持ち出したる大上段から無可有の虹に向つて投げ飛したるジヤベリンの弾道を見る如き気概に富んだ光景を期待する者は...
牧野信一 「浪曼的時評」
...大上段に大刀を振り上げて待ち構えている辻斬(つじぎり)の前へ...
正岡容 「寄席」
...ことことと行く汽車のはて温石いしの萱山の上にひとつの松ありてあるいは雷にうたれしや三角標にまがへりと大上段に真鍮の棒をかざしてさまよへりごみのごとくにあきつとぶ高圧線のま下にて秋をさびしき白服の酒くせあしき土木技手いましも汽車を避け了へてこなたへ来るといまははた急ぎガラスを入りにけり...
宮沢賢治 「駅長」
...例の大上段の云いまわしで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...重蔵は大胆な大上段に構えて...
吉川英治 「剣難女難」
...玄蕃の大上段の手元へジリジリと詰めて行った...
吉川英治 「剣難女難」
...「参った」と大上段に構えたところはよかったが...
吉川英治 「剣難女難」
...大上段にふりかぶった高島十太夫の眉間を狙って稽古(たんぽ)槍をつけた...
吉川英治 「剣難女難」
...栴檀刀を大上段にかぶった河内房は...
吉川英治 「剣難女難」
...――と思うと颯然! 自斎の大上段が寸のびにふり下ろされた...
吉川英治 「剣難女難」
...薪(まき)でも割るように榊原は大上段で人間を斬っていた...
吉川英治 「松のや露八」
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