...この日髪の毛の濃い、口の大きい、色白な一人(ひとり)の青年を乗せた人力車(じんりきしゃ)が、仙台の町中を忙(せわ)しく駆け回ったのを注意した人はおそらくなかったろうが、その青年は名を木村(きむら)といって、日ごろから快活な活動好きな人として知られた男で、その熱心な奔走の結果、翌日の新聞紙の広告欄には、二段抜きで、知事令夫人以下十四五名の貴婦人の連名で早月親佐(さつきおやさ)の冤罪(えんざい)が雪(すす)がれる事になった...
有島武郎 「或る女」
...大きい黒子(ほくろ)を思出したのである...
石川啄木 「天鵞絨」
...大きいからね」この声をきくと皆はすぐに阿發の家(うち)の豆畑へ入った...
魯迅 井上紅梅訳 「村芝居」
...野呂のは飯粒よりももっと大きい...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...b.大きい、富裕にして強力なる(この三性質を備へた)國家...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...一つ奮発して大きい家を...
太宰治 「きりぎりす」
...」「お母さまのお知り合いで大きいお茶屋を...
太宰治 「めくら草紙」
...そういう些細(ささい)な事でもその効果は思いのほかに大きいものになる事がありはしまいか...
寺田寅彦 「蓄音機」
...このドイツの社会学者はフランス文化の影響の下に立っているようだ(特にブリュンティエールの影響が大きいらしい)...
戸坂潤 「読書法」
...ざんば岬を後にみて袖をつらねて諸人の泣いて別るる旅衣益満が、大きい声で、唄いながら、庭の生垣のところから、覗き込んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...それは伶人(れいじん)の姓をもった眼の大きい男であった...
夏目漱石 「行人」
...かうして二つ三つの可成り大きい澤の落合を通つたが...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...重吉の生々したところといつては大きい掌ぐらゐのものであらうか...
林芙美子 「なぐさめ」
...その大きい方の端を割るのが...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...あの顔の大きいこと……」などと憎々しく呟いだ...
牧野信一 「鏡地獄」
...――海つてどんなに大きいの...
三好達治 「測量船」
...嘗(かつ)て実見した押収品のドンよりもズット大きいように感じられた...
夢野久作 「爆弾太平記」
...お祖父(ぢい)さまは此時冗談(じようだん)半分に革の大きい金入れを出し...
若松賤子 「黄金機会」
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