...あながち夢のようなことには思えなかった...
有島武郎 「星座」
...君を捨てた夢のような恋人ではなくて...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...つい今通ってきた仲見世の賑わいが夢のような感じのする...
高見順 「如何なる星の下に」
...夢のような心持で宵に聞いた女の話を浮べていた...
田中貢太郎 「青い紐」
...夢のような光が沿岸一帯の家々の座敷に流れ込む頃には...
谷崎潤一郎 「刺青」
...しかしそういう処でも「絶対の自由」などという夢のようなものはおよそ有りそうもないようである...
寺田寅彦 「学問の自由」
...これは夢のような話ではあるが...
寺田寅彦 「教育映画について」
...何だか夢のような気がしたり...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...夢のような気持でぼんやり顔を見合ってた時でした...
豊島与志雄 「千代次の驚き」
...夢のような而も熱烈な恋に落ちたなんてロマンスもあるそうだよ...
豊島与志雄 「野ざらし」
...(いつまでも、こうしていたい)深雪は、もう忘れてしまった程長い前――それは、決して、そんなに長い時間ではなかったが、余りにも、幼い女の身にとって、次々に起った烈しい事件に――そうした、姉と、母とで――今、こうして、土瓶を凝視めて、炉の下の、火加減に、心を配っているように、いつかの日、楽しく、食事ごしらえを手伝った、夢のような、昔のことを思い出していた...
直木三十五 「南国太平記」
...広島県ではこの夢のような組織が...
中井正一 「地方の青年についての報告」
...その糸には一種夢のような匂(におい)があるので...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...一緒に来い――とこう夢のようなことを申すのでございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まことに夢のような一時だった...
橋本五郎 「地図にない街」
...ほのぼのと闇黒に流れ去るのを見た――それは夢のような一瞥だった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...夢のような心地がします...
吉川英治 「三国志」
...愛なく情なく血なく肉なくしてただ黄金にのみ執着する獰猛なスクルジは過去現在未来の幽霊に引っ張り回されて一夜の間に昔の夢のようなホームの楽しさと冷酷なる今と身近く迫れる暗き死の領とを痛切に見せられた...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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