...お豐は所天(をつと)のはねのけた夜着を方づけてる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...昨夜着かれたばかりです」「昨夜...
大阪圭吉 「死の快走船」
...犬養氏は夜着(よぎ)のなかで...
薄田泣菫 「茶話」
...そして暖い粥(かゆ)と暖い夜着(よぎ)とを恵んでくれた...
薄田泣菫 「茶話」
...夜着の下から、震える手先を伸して彼の方へ縋りついてきた...
豊島与志雄 「月明」
...帯だけ解いて夜着にくるまって寝た...
豊島与志雄 「反抗」
...お銀様の寝た縮緬(ちりめん)の夜着蒲団(よぎふとん)の中へ身を埋めながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...丹波(たんば)の国は笹山から昨夜着し立てでござると云わぬばかりに...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...夜着いた土地であるだけに何となく淋しい...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...窃(そっ)と夜着の中から首を出すと...
二葉亭四迷 「平凡」
...鼻たれの兄と呼ばるゝ夜寒かなふと眼を開けば夜はいつしか障子の破れに明けて渋柿の一つ二つ残りたる梢(こずえ)に白雲の往き来する様など見え渡りて夜着の透間に冬も来にけんと思わる...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...夜着にくるまってねむっている人たちも...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...夜着の袖の中からお君の啜泣きの声が...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...額際まで夜着を引きあげた黒い中で...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...仕立て上げて手も通さずにある赤い着物を見るにつけ桃色の小夜着を見るにつけて歎く姉の心をせめて万が一なりと知って呉れたら切ない思い出にふける時のまぼろしになり夢になり只一言でも私のこの沈み勝な心を軽く優しくあの手((ママ))さな手で撫でても呉れる事だろう...
宮本百合子 「悲しめる心」
...夜着をもってゆき...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...女房は夜着を掛けてくれた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...力なく夜着の上に両手をだらりとのせてよく眠っているようだった...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
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