...帰つてくれたのだ」彼女は何かの香気のこもつてゐさうな夜気を大きく吸ひながら...
犬養健 「朧夜」
...早春の地中海の夜気を呼吸して...
谷譲次 「踊る地平線」
...暑くも寒くもない快適な夜気の肌触(はだざわ)りは...
近松秋江 「狂乱」
...夜気に洗われた緑のつややかさを見ると...
壺井栄 「二十四の瞳」
...夜気(やき)にうたれるといかん...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...村落の森はまだ夜気に黝んでいたが...
豊島与志雄 「土地」
...」秋の夜気が身にしみて...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...冷たい夜気が流れていった...
豊島与志雄 「囚われ人」
...ひやひやする夜気に肌をさらしながら時のたつのも忘れて驚嘆をつづけた...
中勘助 「銀の匙」
...寒い夜気に当って...
林芙美子 「新版 放浪記」
...Kがじっとしていて冷たい夜気にさらされ放しにならないように...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...深沈(しんちん)たる夜気の中で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...寒冷な夜気を吸込ませておいても...
松本泰 「緑衣の女」
...晩秋の冷たい夜気がこころよく肌(はだ)にしみとおった...
山本周五郎 「青べか物語」
...夜気冷(ひん)やりとしてきた子(ね)の刻(こく)過ぎ...
吉川英治 「剣難女難」
...夏隣りの湿気の多い夜気の中にゆらめいていて...
吉川英治 「私本太平記」
...墨を流したような夜気もにわかにうごくかのような気配が感じられた...
吉川英治 「新書太閤記」
...水底のような夜気があった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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