...霊魂(れいこん)のように夜気(やき)が窓硝子(まどガラス)を透(とお)して室内に浸(し)みこんでくるように思われた...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...そこから冷たい夜気が流れこんでいる...
海野十三 「四次元漂流」
...私はしつとりと夜気に湿つた肌をして...
薄田泣菫 「独楽園」
...馬車は疾く動いていたし夜気は冷かったにも拘らず...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...早春の地中海の夜気を呼吸して...
谷譲次 「踊る地平線」
...あれではたとい涼しい夜気が流れ込んで来ても...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...夜気に当つてゐた...
徳田秋聲 「歯痛」
...この北上川の沿岸の蒙蒼たる広原の夜気の中へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜気に当っては毒と存じ申した故」「いやどうも...
中里介山 「大菩薩峠」
...甲板の上をそぞろ歩きをして夜気に打たれつつ...
中里介山 「大菩薩峠」
...寒い夜気に当って...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...彼らは悪魔崇拝者だったのです!」ハリスはひんやりする夜気の中をゆっくり歩くだけでは出るはずのない汗を...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...一日中とび廻(まわ)っていた身体も夜気に吹かれて疲れが出ていた...
本庄陸男 「石狩川」
...今年は雨ばかりで軽井沢の夜気は冷たい...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...長く夜気にあたることもつらくなった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一ぷくの煙草を美味そうに夜気の中へ吐き流している若ものの姿も見えた...
横光利一 「夜の靴」
...夜気はきわだって冷々(ひえびえ)としてきた...
吉川英治 「三国志」
...夜気のしじまに変(へん)を感じて駈けつけて来たのだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
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