...深山の夜気が肌寒く薄い着物に透(とお)り出した頃...
芥川龍之介 「杜子春」
...夜気を融した無気味な川面を...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...静寂な夜気のなかにひびきだした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...もう肌寒い初秋の夜気だった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...新緑の香の籠ってる夜気を吸いながら...
豊島与志雄 「鯉」
...ただ高原の夜気が水のように流れているだけです...
中里介山 「大菩薩峠」
...深沈(しんちん)たる夜気の中で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...白けた夜気の中にうつツてゐた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...夜気がひんやりとこころよいくらいではないか」「酔っているのは太夫さまだけですわ」「なにを云うか...
山本周五郎 「風流太平記」
...つめたい夜気と共に...
夢野久作 「人間レコード」
...静かな夜気と相模川の水に反響して...
吉川英治 「江戸三国志」
...墨のような濃い夜気を曳き...
吉川英治 「大岡越前」
...墨を流したような夜気もにわかにうごくかのような気配が感じられた...
吉川英治 「新書太閤記」
...然し――ひえびえと澄みきった夜気を仰ぎながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...夜気冷やかに瞬(またた)いている二基(き)の常夜燈...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...伽藍の森厳にひえびえとした夜気を流して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...沈痛な夜気が詰所(つめしょ)にみちた...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...』とドリアンは古い部屋の冷たい夜気に肩をふるわせながら云った...
渡辺温 「絵姿」
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