...それが夜明けの幕が上る拍子木の音のようなものであった...
海野十三 「軍用鼠」
...夜明けにはもはや物思いをさらりとすてて起き...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...だが夜明けとなれば既に暁闇と旭光の織り出す絢爛は消え...
鷹野つぎ 「窓」
...もうそれは夜明けちかい空の気配であった...
太宰治 「斜陽」
...夜明けの山のみどりがながれこむこゝろよさは何ともいへない...
種田山頭火 「旅日記」
...獄中も一夜明け候えば春めき申し候...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...薔薇色の肉体を夜明けの電燈の光に晒(さ)らし...
富田常雄 「刺青」
...夜明け近くまでうとうとと眠った...
豊島与志雄 「悪夢」
...夜明け頃ふと眼を覚して...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...もう夜明けに間もない時ですから東の空は白(しら)み渡っていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...鵞鳥や女商人の喚き声が再び市場ぢゆうにひろがつた――そして不気味な夜明け前にあんなに人々を怯えあがらせた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...時には夜明けまで仕事をしている...
牧野富太郎 「植物知識」
...にわとりが夜明けを知らせた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...遠い地平に夜明けを呼びながら...
三好達治 「測量船」
...鶏は素(もと)より夜明けを報ずるめでたい鳥であったけれども...
柳田国男 「年中行事覚書」
...身動きもせず夜明けまで寝込んでいたが...
吉川英治 「剣難女難」
...夜明けまでに、この和田峠から大門峠まで踏破してしまおうと思う...
吉川英治 「宮本武蔵」
...船にして今は夜明けつ小雨降りけぶらふ崎の御熊野(みくまの)の見ゆ下總犬吠岬にて...
若山牧水 「樹木とその葉」
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