...夫は夜寒の長火鉢の向うに...
芥川龍之介 「秋」
...夜寒(よさむ)の細い往来(わうらい)を爪先上(つまさきあが)りに上(あが)つて行(ゆ)くと...
芥川龍之介 「漱石山房の秋」
......
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...秋の夜寒にたえやらで...
井上円了 「おばけの正体」
...をりからの朝寒夜寒(あささむよさむ)に凝(こ)り固まつて咲いたらしい...
薄田泣菫 「侘助椿」
...足さすり手さすり寝(い)ぬる夜寒(よさむ)かな十一月七日 句謡会...
高浜虚子 「六百句」
...停車場に夜寒(よさむ)の子守旅の我十月八日 土筆会員挙(こぞ)つて来る...
高浜虚子 「六百句」
...九月半(なかば)ノ事ナレバ夜寒シキリニシテ手足モヒヘ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...この夜寒月氷の如く霜気天に満つ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...夕より雨のいたくふりいでたればさきはひのよしとふ宵の春雨はあすさへ降れどよしといふ雨春雨に梅が散りしく朝庭に別れむものかこの夜過ぎなば宵すぐるほどに雨やみてまどかなる月いづあすはよき日と思はれければしば/\も裝ひ衣ぬぎかへむあすの夜寒くありこすなゆめなほ思ひつゞけゝる柞葉の母が目かれてあすさらばゆかむ少女をまもれ佐保神夜をこめてあけの衣は裁ちぬひし少女が去なば淋しけむかも四月十七日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...なおの事夢らしく粧(よそお)っている肌寒(はださむ)と夜寒(よさむ)と闇暗(くらやみ)...
夏目漱石 「明暗」
...夜寒(よさむ)が次第(しだい)に増(ま)して來(く)る...
夏目漱石 「門」
...長病(ながわずらい)の少年が――火葬場(やきば)の薬(くすり)までもらおうというものが、この夜寒に、――しかも重い病人に、荷物をもたせて、綿のはいったものもきせずに――母一人(ははひとり)子一人(こひとり)なのに――なにがほしいんだ、祖母はグッと胸に来たらしかった...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...鼻たれの兄と呼ばるゝ夜寒かなふと眼を開けば夜はいつしか障子の破れに明けて渋柿の一つ二つ残りたる梢(こずえ)に白雲の往き来する様など見え渡りて夜着の透間に冬も来にけんと思わる...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...柿店の前を過ぎ行く夜寒かな御成道は車少く...
正岡子規 「夜寒十句」
...三階の灯を消しに行く夜寒かな上野に上る...
正岡子規 「夜寒十句」
...夜寒を感じるのであった...
宮城道雄 「私の若い頃」
...からき夜寒(よさむ)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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