...若しそれが多少なりとも諸君の參考になるならば自分の本懷である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...節度を壊すような結果を多少なりとも惹(ひ)き起しはしまいか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...多少なりともこれに類した事実が作者の視聴内にあった乎(か)否乎は二葉亭はかつて明言しなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...多少なりとも科学批判がとり上げられるようになり...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...彼女はいままでに見せつけられなかった彼の態度から多少なりとも驚愕と嫌悪とを感じなかったのである――そうして彼女には彼自身へ向ける疑惑の心などは更にないのである...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...それで始めて多少なりとも戰國の頃まで存在した經典の如何なる者たるかゞ解るのである...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...今のうちに多少なりとも地所を買い求めて...
中里介山 「大菩薩峠」
......
仁科芳雄 「株式會社科學研究所の使命」
...多少なりとも先途の事を考える...
林芙美子 「新版 放浪記」
...五十の坂を越して、自分をすつかり見捨ててゐた時であるだけに、多少なりとも、若い女性に好意を持たれる事はうれしい事である...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...多少なりとも確たる解決を与え得る問題は何一つないのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...多少なりとも自作演劇に関わっている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...地下鉄の全路線にガスと空気の恐ろしい混合気体が多少なりとも満ちています...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...私は人に秘(かく)れて、これらの書物を繙く夜々、多少なりとも、あれらの荒唐無稽を在り得べき夢として身辺に感じ度い念願から、壁には長剣の十字を切つて飾りとなし、身には銀紙を貼つた手製の鎧をつけて、燭灯の光りを頼りに、想ひをいとも「花やかなる武士道」の世界に馳せつゞけてゐた破産者であつた...
牧野信一 「鬼の門」
...多少なりとも彼を男として意識したならば女らしい慎しみを抱いたに相違ないのであるが...
牧野信一 「好色夢」
...もしわれの言うところに多少なりとも真らしさがあるならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...多少なりとも読者の共感をそそるものがあるとか...
山之口貘 「詩とはなにか」
...Bが多少なりとも損害を被ると杞憂(きゆう)せられんか...
山本周五郎 「青べか日記」
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