...若し此書を貫く根本精神が多少なりとも生きてゐるならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...節度を壊すような結果を多少なりとも惹(ひ)き起しはしまいか...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...それが多数の健全なる理性の所有者にとっていわゆる芸術的価値を多少なりとも認め得られるとすれば...
寺田寅彦 「科学と文学」
...恋愛の惨(みじ)めな頽勢(たいせい)を多少なりとも世間的に持ち直そうとする愚かな虚栄と意地からであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...彼女はいままでに見せつけられなかった彼の態度から多少なりとも驚愕と嫌悪とを感じなかったのである――そうして彼女には彼自身へ向ける疑惑の心などは更にないのである...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...あの英雄がこの悪漢に多少なりとも恩を受けていること...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それを多少なりとも説明するには...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...当分の希望は多少なりとも目立たぬことだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...地下鉄の全路線にガスと空気の恐ろしい混合気体が多少なりとも満ちています...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...多少なりとも彼を男として意識したならば女らしい慎しみを抱いたに相違ないのであるが...
牧野信一 「好色夢」
...そして万が一にも柳の下に鰌(どぜう)がゐて、此の映画が再び洋行する事が出来たなら、その時こそ、多少なりとも、日本の美しい心が判つて貰へるやうにと、願ひ且つ心掛けてゐるのである...
溝口健二 「日本趣味映画」
...多少なりとも努力した作家を分つて...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...鶏卵も多少なりとも用い...
村井政善 「蕎麦の味と食い方問題」
...結婚を多少なりともこの聖なる結合と似たもののように思うことによってこれを尊くしようとし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...多少なりとも発見して来ました...
柳宗悦 「民藝四十年」
...Bが多少なりとも損害を被ると杞憂(きゆう)せられんか...
山本周五郎 「青べか日記」
...多少なりともその領地の訛りがうつりますし...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...「多少なりとも思慮のある者なら...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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