...多分に魚の特徴を備(そな)えていた...
海野十三 「海底都市」
...多分に有する権力ありて馬鹿なる一貴公子を想像しみよ...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...自分の専門が学全体を掩蔽(えんぺい)するその見掛け上の主観的視像を客観的実在そのものと誤認するような傾向を生ずる恐れが多分にあるのである...
寺田寅彦 「学位について」
...元来今日の唯物論は社会的にはプロレタリアートと農民とに帰属すべき思想であるのだが、今の例では、多分に、サラリーマン層乃至現在の広義に於ける学生層(所謂評論雑誌の読者層)或いは又官僚群に帰する「唯物論」が見受けられるわけである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...こうした吾妻琴風(あずまごとふう)な和歌情調を多分に持っていた...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...彼女は寺小屋風が多分に遺(のこ)った小学校に学んだり...
長谷川時雨、三上於菟吉 「旧聞日本橋」
...乱歩のスタイルは多分に通俗的で...
平林初之輔 「江戸川乱歩」
...この隠遁者(いんとんしゃ)には興味と尊敬の念とを起させるものが多分にあったからなのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...そこには力よりも運の方が多分にあった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...吹き込んだものも多分にあるに違いない...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...そうした心境の奥の奥からほのめき出る痛々しい感じを多分に含んでいるのだ...
夢野久作 「実さんの精神分析」
...罪滅ぼしの気持ちも多分にある...
横光利一 「夜の靴」
...自然長い歴史と文化のうちに育まれてきたいいものが多分にある...
吉川英治 「折々の記」
...お光さんにはこういう叛逆的な性格が多分にあって...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...多分に疑惑していたからであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...外人宣教師などに対する国際的意味も多分にあったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...宋船との交易を盛んにするには、良い港が必要なので、築港の工事を起し、それと共に、都市の計画にかかったが、彼の設計図には、多分に、政治的な考えも入らずにいなかった...
吉川英治 「源頼朝」
...世の中はまだ殺伐(さつばつ)な遺風を多分に湛(たた)えている...
吉川英治 「柳生月影抄」
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