...)といふ興味が多分にあり...
宇野浩二 「「鱧の皮 他五篇」解説」
...その性質が多分にあって...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...社会生活の弱者が犯罪の世界において傲然(ごうぜん)として自己の優越を証明せんとする心理が多分に働いている...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...この漂泊性を多分にもち合せた男があつた...
薄田泣菫 「茶話」
...性格陶冶(とうや)等から来る美を多分に持っている人の事である...
高村光太郎 「人の首」
...もちろん若いころには免れ難い卑近な名誉心や功名心も多分に随伴していたことに疑いはないが...
寺田寅彦 「科学と文学」
...火災の折に押入の板がどうして焼け残ったか? 押入の板に人間の白血球を含む蚊の糞と人間の脂肪とがどうしてそう多分に付着しているか? そういう疑問から...
豊島与志雄 「白血球」
...御多分に漏れぬ大のかつぎ屋なのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...――これは多分に御茶代を――気をつけて御越しなされ」三昨夕(ゆうべ)は妙な気持ちがした...
夏目漱石 「草枕」
...多分に封建的な政略の意味も含めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私と共鳴する性格を多分にもつてゐる...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...且つ生理的にも健康性を多分に持つてる二人の詩人が...
萩原朔太郎 「初めてドストイェフスキイを讀んだ頃」
...多分に小説としてのフィクションが織りこまれているけれども...
火野葦平 「花と龍」
...乱歩のスタイルは多分に通俗的で...
平林初之輔 「江戸川乱歩」
...なお一層の健在と健康を期待するという意味を多分にふくめて...
森下雨村 「三十六年前」
...下僚根性は多分にあった...
山本周五郎 「百足ちがい」
...いや多分にそういう男だということは...
吉川英治 「新書太閤記」
...東北の奥地――まだ蝦夷(えぞ)人種の勢力が多分に強い――平泉あたりまで...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??