...北辺工作はその目的が多分に加味されている事は勿論である...
石原莞爾 「戦争史大観」
...今でもその気が多分に残っていないとは決して言わない...
大杉栄 「続獄中記」
...そこがこの男の多分に偏執狂的な所以(ゆえん)であり...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...探偵を開業したのもオーゲを頼みとしているところが多分にあったのであろう...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...少なくも晩年の作品の中に現われている色々のものの胚子(はいし)がこの短い詩形の中に多分に含まれている事だけは確実である...
寺田寅彦 「夏目先生の俳句と漢詩」
...多分に女性的な響きを持っている...
豊島与志雄 「最近の菊池寛氏」
...なにか秘密な匂いが多分にこもっていた...
豊島与志雄 「自由人」
...右のような読者の要求に応じたい意図を多分に持つことは...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...御多分に洩(も)れず...
中里介山 「大菩薩峠」
...縮図にしたような趣が多分にあるに比して...
平林初之輔 「ルヴエルの『夜鳥』」
...演出・作共に多分にドラマチックで...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...たいてい実力よりも体裁を・効果よりも装飾を・多分に持っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...杏所の肖像畫も多分に藝術的な良心と...
吉川英治 「折々の記」
...多分にひそめておいでだったが...
吉川英治 「私本太平記」
...血のなかに、多分にまだ、祖先の勇武と、現代への不満を抱いて、時しあらばふたたび、弓箭(ゆみや)のなかに運命の風雲を捲き起そうと――かねてから結びあっている家党の輩(ともがら)なのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...上方の空気から大勢を眺めている者との相違も多分にあると惣右衛門は気づいた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...俗にいうかどの取れない所が多分にあるが――この老人は鶴のようだ...
吉川英治 「源頼朝」
...やはり乳くさい点が多分に見える小次郎だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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