...道楽者(ダンディ)の素質が多分にあるとでも云って置きましょう...
芥川龍之介 「久米正雄氏の事」
...多分に私のうちにも移っていた...
上村松園 「母への追慕」
...彼は一つ間違うと気違いになり兼(か)ねぬ様な素質を多分に持っていた...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...未だ多分に粗雑ではあるが或る一つの推定に到達しました...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...私には多分に彫刻の範囲を逸した表現上の欲望が内在していて...
高村光太郎 「自分と詩との関係」
...蔽ひ隠さうとするあまい虚栄心を多分に持ち合せてゐる...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...このフリオ・ベナビデスもやはり御多分に洩れずまことに恐るべきことをいたしておりますのです...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...従って彼らの中には共通な元子が多分に包まれている...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...趣味等において互いに共通な点を多分にもっている場合には...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...反社会科学的出版物の擬装物を多分に含んでいるわけだから...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...いや今日でも多分にそうだが...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...放言であれば多分に文壇的地方弁であらざるを得ないわけだ...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...未成年者らしいところを多分に持ってるようだが...
豊島与志雄 「自由人」
...御多分にもれない...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...余裕性を多分にもつてる証左である...
萩原朔太郎 「喫茶店にて」
...光秀や勘助などは、後に、各々一個の謀將として立身してゐるので、その青年期の不明な頃は、諸國の築城兵力地理などを考察して、他日に備へたものであらうといふ、後人の臆測が、多分に、傳記の餘白を埋めてゐるのではあるまいか...
吉川英治 「折々の記」
...多分に熱帯地の濃い南方人の血液がはいっていたかもしれない...
吉川英治 「三国志」
...いや自分がまだ多分に少年であるゆえに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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