...多分に有する権力ありて馬鹿なる一貴公子を想像しみよ...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...元来今日の唯物論は社会的にはプロレタリアートと農民とに帰属すべき思想であるのだが、今の例では、多分に、サラリーマン層乃至現在の広義に於ける学生層(所謂評論雑誌の読者層)或いは又官僚群に帰する「唯物論」が見受けられるわけである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...多分にヒステリックだ...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...米友もまた御多分に漏れず持ち合わせていればこそ...
中里介山 「大菩薩峠」
...お銀様もやはり御多分には洩れまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...且つ生理的にも健康性を多分に持つてる二人の詩人が...
萩原朔太郎 「初めてドストイェフスキイを讀んだ頃」
...彼女の母の信用を多分に持って居たので...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...たいてい実力よりも体裁を・効果よりも装飾を・多分に持っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...議會及び國民の意志を無視して國政が行はれる危險が多分にあつた...
山浦貫一 「新憲法の解説」
...八束と結婚すれば不幸になる惧(おそ)れが多分にある...
山本周五郎 「竹柏記」
...歐洲大戰で各國がなめたほどの忍耐まで行くか、或ひは、日露戰爭の折に、熱狂したほどな熱狂をやるまでには、今の日本國民は、まだ多分に、餘裕を持つてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...秀吉の功をそねむ心理が多分に醸(かも)されていたのである...
吉川英治 「黒田如水」
...彼も多分に胸をいためた...
吉川英治 「黒田如水」
...父夏侯淵(かこうえん)とは余りにも似ない貴族らしさを多分に持った彼とその幕下は...
吉川英治 「三国志」
...その願望をかなえてやりたい気は多分にあった...
吉川英治 「私本太平記」
...それがしの命令に服さぬ惧(おそ)れが多分にあります...
吉川英治 「新・水滸伝」
...従って遊惰(ゆうだ)に流れる風も多分にあるが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...悪魔的な興味を多分におぼえるのだった...
吉川英治 「親鸞」
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