...それは、多かれ少かれ、木賃宿などに巣食つてゐる人間の特徴であつた...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...教科書の上に明かには書き現わされていなかったと思うが、ごく大ざっぱにではあるけれども、世界の歴史の動きの大すじが、その時のぼくの浅薄な知識の程度で、一とおりわかったように思ったことの外に、政治、経済、社会、宗教、または文芸や学術などの、種々の現象が互にはたらきあって一つの歴史の動きとなっていること、世界は一つの世界であって、多くの民族はその間に、多かれ少かれ、また直接間接に、何らかのつながりがあると共に、民族によってそれぞれの特殊性をもっていること、などを、ぼんやりながら知ったのは、そのおかげであった...
津田左右吉 「学究生活五十年」
...誰しもが多かれ少かれ有してゐるものではあるが...
中原中也 「宮沢賢治の世界」
...先程の「神秘」を多かれ少かれ感ずる者として...
中原中也 「我が詩観」
...ヒマラヤの人獣の足跡もっともすべての大人にも、多かれ少かれ、この童心は残っている...
中谷宇吉郎 「イグアノドンの唄」
...そのためにまた我々は物において多かれ少かれ新しいものを發見することができるやうになつてゐる...
三木清 「人生論ノート」
...旅は人を多かれ少かれ冒險的にする...
三木清 「人生論ノート」
...娯楽を求める現代人は多かれ少かれ二重生活者としてそれを求めている...
三木清 「人生論ノート」
...即(すなわ)ち旅はすべての人に多かれ少かれ漂泊の感情を抱かせるのである...
三木清 「人生論ノート」
...そのためにまた我々は物において多かれ少かれ新しいものを発見することができるようになっている...
三木清 「人生論ノート」
...旅は人を多かれ少かれ冒険的にする...
三木清 「人生論ノート」
...多かれ少かれ主知主義の立場を占める...
柳宗悦 「工藝の道」
...私たちは幸(さいわい)にも各地から多かれ少かれ品物を拾いあげることが出来た...
柳宗悦 「地方の民藝」
...多かれ少かれ大阪ものを見ない土地とてはないくらいになりました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...皆多かれ少かれここの藍を用いました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...各国とも多かれ少かれ共通な道を進みます...
柳宗悦 「美の国と民藝」
...多かれ少かれ主理主義 Rationalism に陥(おちい)っている...
柳宗悦 「民藝四十年」
...多かれ少かれこの病いに悩んでいる...
柳宗悦 「民藝四十年」
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