...多かれ少かれ、理想を内に孕めるものはトルストイの運命を分たなければならないのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...多かれ少かれ外界の要求の犠牲となることである...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...そして、私のまわり気かも知れぬけれど、年長の友達は殆ど凡て、深山木幸吉とても例外ではなく、多かれ少かれ、私の容貌に一種の興味を持つ様に思われた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...教科書の上に明かには書き現わされていなかったと思うが、ごく大ざっぱにではあるけれども、世界の歴史の動きの大すじが、その時のぼくの浅薄な知識の程度で、一とおりわかったように思ったことの外に、政治、経済、社会、宗教、または文芸や学術などの、種々の現象が互にはたらきあって一つの歴史の動きとなっていること、世界は一つの世界であって、多くの民族はその間に、多かれ少かれ、また直接間接に、何らかのつながりがあると共に、民族によってそれぞれの特殊性をもっていること、などを、ぼんやりながら知ったのは、そのおかげであった...
津田左右吉 「学究生活五十年」
...先程の「神秘」を多かれ少かれ感ずる者として...
中原中也 「我が詩観」
...瞑想は多かれ少かれミスティックなものである...
三木清 「人生論ノート」
...娯樂を求める現代人は多かれ少かれ二重生活者としてそれを求めてゐる...
三木清 「人生論ノート」
...それだから旅において我々はつねに多かれ少かれ浪漫的になる...
三木清 「人生論ノート」
...旅は人を多かれ少かれ冒險的にする...
三木清 「人生論ノート」
...即(すなわ)ち旅はすべての人に多かれ少かれ漂泊の感情を抱かせるのである...
三木清 「人生論ノート」
...旅は人を多かれ少かれ冒険的にする...
三木清 「人生論ノート」
...多かれ少かれ主知主義の立場を占める...
柳宗悦 「工藝の道」
...私たちは幸(さいわい)にも各地から多かれ少かれ品物を拾いあげることが出来た...
柳宗悦 「地方の民藝」
...多かれ少かれ大阪ものを見ない土地とてはないくらいになりました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...皆多かれ少かれここの藍を用いました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...各国とも多かれ少かれ共通な道を進みます...
柳宗悦 「美の国と民藝」
...そうしてそれらの国々に多かれ少かれ彼の製作が残るのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...その国内で営まれるあらゆる種類の産業を多かれ少かれ阻害する傾向を有ち...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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