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伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...夕月の影に送られて...
大町桂月 「妙義山の五日」
...夕月夜(ゆうづくよ)海すこしある木(こ)の間(ま)かな(三〇)彼の意味を推測するのは難くない...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...あの草っぱらに夕月の射(さ)したとこは好かったよ」「そうだ...
田中貢太郎 「草藪の中」
...夕月がさして竹の葉が微(かすか)な風に動いていた...
陳玄祐 田中貢太郎訳 「倩娘」
...いつの間にか日が暮れて夕月が射していた...
田中貢太郎 「牡丹燈記」
...・枯枝の空ふかい夕月があつた凩の火の番の唄雨のお正月の小鳥がやつてきて啼く空腹かかへて落葉ふんでゆく・枯木ぱちぱち燃える燃える誰も来ない夜は遠く転轍の音も宵月に茶の花の白さはある・三日月さん庵をあづけます一月七日寒の雨...
種田山頭火 「其中日記」
...夏夜靜けき夏の夜半の空遠き蛙の歌聽けば無聲にまさるさびなれや眠を誘ふ水の音心しづかに流るれど夕月山に落ち行けば影を涵さんよしもなし...
土井晩翠 「天地有情」
...八日頃(やうかごろ)の夕月(ゆふづき)がまだ真白(ましろ)く夕焼(ゆふやけ)の空にかゝつてゐる頃(ころ)から小梅瓦町(こうめかはらまち)の住居(すまひ)を後(あと)にテク/\今戸(いまど)をさして歩いて行つた...
永井荷風 「すみだ川」
...葉桜の上に輝きそめた夕月の光がいかにも涼しい...
永井荷風 「すみだ川」
...その頂きに七八日(ななようか)頃の夕月が懸っている...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...夕月をかすめて啼過る雁の聲...
永井荷風 「蟲の聲」
...吹上げの浜の白(しら)ぎくさしぐしの夕月に――とか...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...熱海から多賀へ出て一泊されては 海に向き材木積める空地のみ僅に白き夕月夜かな の歌を残しこの行は終る...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それによつて影の多い夕月夜の印象がくつきりと浮んで来るのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...錦木に萩もまじれる下もみぢ仄かに黄なる夕月夜かな錦木の下に萩の植込みがあり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その雲の間に白い夕月がちんと収つてゐる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...腰を伸ばして、ふと空を仰ぐと、いつの間にか、夕月があった...
吉川英治 「親鸞」
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