...上布の肩から一なすり墨をぼかしたような夏羽織で...
芥川龍之介 「妖婆」
...夏羽織の裾を飜(ひるがえ)しながら...
芥川龍之介 「妖婆」
...夏羽織なぞ着てましたがね……いや最初私は...
大阪圭吉 「あやつり裁判」
...春夏羽化(うくわ)して小蛾(せうが)となり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...吹きつけて痩(や)せたる人や夏羽織昭和十年六月二十八日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...白絣(しろがすり)に夏羽織をお召しになって診察にいらした...
太宰治 「斜陽」
...夏羽織を着てゐた...
太宰治 「富嶽百景」
...夏羽織を質入して飲んだが...
種田山頭火 「其中日記」
...白井は涼しい夕風に夏羽織の袂を吹かせながら...
永井荷風 「来訪者」
...紋付の夏羽織を着た...
夏目漱石 「それから」
...内地でも朝夕は涼し過ぎて浴衣や夏羽織では見すぼらしくて仕方がない...
野口雨情 「札幌時代の石川啄木」
...外へ出ましょう」セルの上へ羽織った絽(ろ)の夏羽織を取って...
野村胡堂 「踊る美人像」
...大徳屋はあの日夏羽織を着て居たのか」平次は夏羽織の方に氣を取られて居る樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大徳屋徳兵衛は夏羽織(なつばおり)を着て来なかったか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夏羽織に手を通しながら...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...二人は夏羽職の肩を竝べて出かけた...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...こまかい白飛絣(しろがすり)の帷子(かたびら)に絽(ろ)の夏羽折を着ていた...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...夏羽織の背の低い父の姿がすぐ彼の眼についた...
横光利一 「旅愁」
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