...青年絵画協進会のは、海辺に童子がはだかでゐる絵で、その筆力なり、裸体の表現などが、当時の私共には、大変物珍らしく、そして新しいもののやうに感ぜられたのでした...
上村松園 「旧い記憶を辿つて」
...青年絵画共進会の、海辺に童子がはだかでいる絵は、その筆力なり、裸体の表現などが、当時の私共には、大変物珍しく、そして新しいもののように感ぜられたのでした...
上村松園 「古い記憶を辿って」
...同気相求める三人の変物揃(ぞろ)いで東海道を膝栗毛(ひざくりげ)の気散じな旅をした...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...といふ大変物騒な事に成つて来た...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...あらゆる思索・議論・喋々喃々(ちょうちょうなんなん)・暴飲・天才・奇行・変物――牡蠣(かき)の屋台店と鋪道をうずめる椅子の海と...
谷譲次 「踊る地平線」
...」変物(かはりもの)の老人はかう云つた切り...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...奇物変物もすっかり影をひそめてしまった...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...当時変物の意義はよく知らなかった...
夏目漱石 「処女作追懐談」
...それこそ真性変物で...
夏目漱石 「処女作追懐談」
...「あの苦沙弥と云う変物(へんぶつ)が...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あの変物(へんぶつ)の苦沙弥を先生先生と云って苦沙弥の云う事は大抵聞く様子だから困る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「大変物覚えが御悪いのね」と細君がひやかした...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...宮廷の礼に嫻(なら)わぬ変物(へんぶつ)の事だから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...珍らしいミリオネエルの変物だなあ...
フレデリック・ブウテ Frederic Boutet 森鴎外訳 「橋の下」
...外国の話をきくと、娯楽は娯楽であるとして、何の制限も弾圧もないさうだ、これは実に羨ましいが、そのまゝ日本に当てはめなくてもいゝ、たゞ下手な事変芝居や主人公がすぐ出征するといふ式の悪事変物を禁じなくてはいけないと思ふ、然し今の検閲の方針では、否が応でも時局物教訓物をと強ゐてゐる有様だ、よき事変物、時局物を求めるなら、量ではない、質である、たゞ毎月毎週そのやうなものばかりを強ゐずに、一方ノンビリと「時局忘れ」物も許して行かないと、娯楽といふ砂糖に、塩味が入っては仕方がない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...アレハあすなろうノ葉ノ変化物ナラント云ヘリ当時余モ葉ノ変物ナルヤ全ク一種ノ寄生物ナルヤヲ確定スル能ハザリシガ其後再ビ箱根ニ赴タル時前述ノ木ト今少シ駅ニ近キ処ノ右側ノ小林中ニテ同物ヲ得タリ此度ハ其生ズル処ハ葉ノミニ限ラズ枝ニモ幹ニモ生ゼリ而シテ其全ク一種ノ寄生植物ニシテ年々新枝ヲ出ス頃ニハ前ニ栄ヘシ枝ハ枯レ行クモ全ク枯レ尽ルコトナキ多年生本ナルコトヲ見出セリ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...大変物を識っている人がたくさん集まった...
柳田国男 「故郷七十年」
...稀代(きたい)な変物で...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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