...青年絵画共進会の、海辺に童子がはだかでいる絵は、その筆力なり、裸体の表現などが、当時の私共には、大変物珍しく、そして新しいもののように感ぜられたのでした...
上村松園 「古い記憶を辿って」
...同気相求める三人の変物揃(ぞろ)いで東海道を膝栗毛(ひざくりげ)の気散じな旅をした...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...僕はこの変物の妖怪学者に一種の好意を感じないではいられなかった...
江戸川乱歩 「悪霊」
...といふ大変物騒な事に成つて来た...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...変物となり居り候(そろ)...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...それで頭のかった変物が出来ました...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...あらゆる思索・議論・喋々喃々(ちょうちょうなんなん)・暴飲・天才・奇行・変物――牡蠣(かき)の屋台店と鋪道をうずめる椅子の海と...
谷譲次 「踊る地平線」
...去月念七日水戸の大変物議如何...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...」変物(かはりもの)の老人はかう云つた切り...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...困ったことには自分はどうも変物である...
夏目漱石 「処女作追懐談」
...然し変物を以て自(みずか)ら任じていたと見えて...
夏目漱石 「処女作追懐談」
...「あの苦沙弥と云う変物(へんぶつ)が...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「大変物覚えが御悪いのね」と細君がひやかした...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そういう女は大きくなってから変物(エクセンドリック)になるんですって...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...『ほんにペトゥルーシャはなんちふ変物ぢやらう! おらがあれに目をかけてやらなかつたとでもいふのかい? うちぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...アレハあすなろうノ葉ノ変化物ナラント云ヘリ当時余モ葉ノ変物ナルヤ全ク一種ノ寄生物ナルヤヲ確定スル能ハザリシガ其後再ビ箱根ニ赴タル時前述ノ木ト今少シ駅ニ近キ処ノ右側ノ小林中ニテ同物ヲ得タリ此度ハ其生ズル処ハ葉ノミニ限ラズ枝ニモ幹ニモ生ゼリ而シテ其全ク一種ノ寄生植物ニシテ年々新枝ヲ出ス頃ニハ前ニ栄ヘシ枝ハ枯レ行クモ全ク枯レ尽ルコトナキ多年生本ナルコトヲ見出セリ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...昔は帝堯が己に譲位すべしと聞いて潁川(えいせん)に耳を洗うた変物あり...
南方熊楠 「十二支考」
...それでも要するにえたいの知れない変物とよりほか解らなかつた...
村山槐多 「悪魔の舌」
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