...当前(あたりまえ)よ、対手が学士でお前じゃ、と堪(たま)りかねて主税が云うのを聞いて、目を(みは)って、しばらくして、ええ!口惜(くやし)いと、台所へ逃込んで、売卜屋の畜生め、どたどたどた...
泉鏡花 「婦系図」
...もっとも売卜者も如才はない...
泉鏡花 「婦系図」
...人の運命ばかり世話を焼いて自分の鼻のツイ鼻のさきの事が解らんのは天下に売卜者と小説家だらう...
内田魯庵 「犬物語」
...その時都の者だという売卜者が来た...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...長者は売卜者を己の室へ呼んだ...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...それが出来ると売卜者と女を並べて仮祝言の盃をさした...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...売卜者の名を安部晴明としてある...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...そこには売卜者(ばいぼくしゃ)や物売る人達が店を並べていた...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...卓連俊は自分の寝床のそばへ売卜の道具のはいった小鞄を取りに行こうとして...
林不忘 「安重根」
...こんなイカサマ売卜(うらない)を聞いているは暇つぶし...
中里介山 「大菩薩峠」
...売卜(ばいぼく)をしたりして露命を行人の合力(ごうりき)によって繋ぎつつ...
中里介山 「大菩薩峠」
...優に売卜者(うらないしゃ)の顧客(とくい)になる資格を充分具えていたに違ない...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「売卜(ばいぼく)先生」と言へば「卜屋算(うらやさん)」と言ひしよりも鹿爪(しかつめ)らしく聞えて善く「訪はれ顔」に響けり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...売卜(ばいぼく)者の尾崎不識斎なる者の宅に集合した...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...煙管(きせる)を喰(くわ)えて人の顔を見ている売卜者(ばいぼくしゃ)やらが...
横光利一 「上海」
...一脚の机をすえていた同業の売卜(ばいぼく)者に出ッくわすと...
吉川英治 「江戸三国志」
...売卜(ばいぼく)先生がよくやる触れ口上を歌いながら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...偽売卜者(にせうらないしゃ)にたばかられ...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索