...こうして農民が鼓腹撃壤して人生を享楽することが出来るならば...
石川三四郎 「吾等の使命」
...譬(たと)へば目前(もくぜん)に在(あ)る低(ひく)い竹(たけ)の垣根(かきね)を破壤(はくわい)して一歩(ぽ)足(あし)を其(その)域内(ゐきない)に趾(あと)つけるだけのことに過(す)ぎないのである...
長塚節 「土」
...朽(く)ちた低(ひく)い竹(たけ)の垣根(かきね)は其(そ)の強(つよ)い手(て)の筋力(きんりよく)を以(もつ)て破壤(はくわい)するに何(なん)の造作(ざうさ)もない筈(はず)であるが...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)の村落(むら)は臺地(だいち)であるのと鬼怒川(きぬがは)の土手(どて)が篠(しの)の密生(みつせい)した根(ね)の力(ちから)を以(もつ)て僅(わづか)ながら崩壤(ほうくわい)する土(つち)を引(ひ)き止(と)めたので損害(そんがい)が輕(かる)く濟(す)んだ...
長塚節 「土」
...なんぢの白いあなうらもつめたい土壤と接觸するときに...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...ああ髮の毛もみだれみだれし暗い土壤に罪びとは懺悔の巣をぞかけそめし...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...たかく盛りあがつた土壤がある...
萩原朔太郎 「都會と田舍」
...春まだあさき土壤より...
萩原朔太郎 「芽」
...芝生に被はれた珊瑚礁の上には薄い土壤があつて...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...丁度朝鮮平壤で見た妓生の部屋と同じであつた...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...この高句麗時代(こうくりじだい)の古墳(こふん)は平壤(へいじよう)附近(ふきん)のほか朝鮮(ちようせん)の北(きた)...
濱田青陵 「博物館」
...雨よ豊かに降り濺いで長い日でりに乾いた土壤を潤せ...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...本当に新鮮な文学の土壤ではなくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...日本もスコットランドも共に火山系の土壤であるが故に...
吉江喬松 「山岳美觀」
...固い土壤の上を匍ひらせた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...土壤には、科學者もまだ汲みえぬ、人間の酒呑み共もなほ直接には味を知らない、美酒の瓶(かめ)が隱されてゐるにちがひない...
吉川英治 「折々の記」
...ひと朝ごとに土壤の植物が芽を伸ばし山の色まで變化してゆく――中でも目立つのが筍から若竹になつてゆく――あの育ちである...
吉川英治 「折々の記」
...どうしてもこの土壤では勤勉でなければやつてゆけない約束にはなつてゐるやうだ...
吉川英治 「折々の記」
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