...3社會は自分を培ふの土壤である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...渠等の集積土質の良田を缺壤して行く爲め...
岩野泡鳴 「日高十勝の記憶」
...總じて東京の近郊は土壤が黒くて道がぬかるみで惡いが...
竹久夢二 「砂がき」
...幕府が瓦壤の時分に江戸で役向を勤めて居た人で...
長塚節 「竹の里人〔一〕」
...譬(たと)へば目前(もくぜん)に在(あ)る低(ひく)い竹(たけ)の垣根(かきね)を破壤(はくわい)して一歩(ぽ)足(あし)を其(その)域内(ゐきない)に趾(あと)つけるだけのことに過(す)ぎないのである...
長塚節 「土」
...「云(ゆ)はざらに」と卯平(うへい)は凝然(ぢつ)と目(め)を蹙(しか)めつゝ少(すこ)し壤(こは)れた壁(かべ)の一方(ぱう)を睨(ね)めつゝいつた...
長塚節 「土」
...無機質土壤の不足は客土をすればすむ話だと思われるかもしれない...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...芝生に被はれた珊瑚礁の上には薄い土壤があつて...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...この高句麗時代(こうくりじだい)の古墳(こふん)は平壤(へいじよう)附近(ふきん)のほか朝鮮(ちようせん)の北(きた)...
濱田青陵 「博物館」
...ルネッサンスという豊饒な洪水によって一応は肥沃にされた土壤に...
宮本百合子 「獄中への手紙」
......
柳田国男 「故郷七十年」
...つまらない雜草の花ではあつても、自分が枯れた後も、この土壤に、自分の種族を、來年の春も、次の春も、咲いてあるやうに欲しいといふやうな本能を感じてくる...
吉川英治 「折々の記」
...天壤無窮に、わが皇室とわれ等民族は、一器の水を器から器へ移すやうに、歴世、その建國の大精神をこぼすことなく傳へてきた...
吉川英治 「折々の記」
...土壤には、科學者もまだ汲みえぬ、人間の酒呑み共もなほ直接には味を知らない、美酒の瓶(かめ)が隱されてゐるにちがひない...
吉川英治 「折々の記」
...やがてその腐つた土壤から平家がおこる...
吉川英治 「折々の記」
...ひと朝ごとに土壤の植物が芽を伸ばし山の色まで變化してゆく――中でも目立つのが筍から若竹になつてゆく――あの育ちである...
吉川英治 「折々の記」
...人間の育ちは、太陽も土壤も、じつは自分の中に有るものによらなければ木の芽をふいて來ないからである...
吉川英治 「折々の記」
...どうしてもこの土壤では勤勉でなければやつてゆけない約束にはなつてゐるやうだ...
吉川英治 「折々の記」
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