...廃墟のような場所であった...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...花屋敷をね」――往年の名物も今は廃墟のようになっていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...廃墟といえば、浅草のレヴィウの発生地のような水族館も廃屋のままで、深夜にその屋上のあたりから踊り子のタップの靴音が聞えてくるという怪談さえ出ているほどの惨憺(さんたん)たる有様である...
高見順 「如何なる星の下に」
...絵として見る時には美しくおもしろいこの廃墟の影に...
寺田寅彦 「写生紀行」
...その同じ廃墟でもって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」見覺えのあるやうな所と思つたら其處は古(いにしへ)の昆吾氏の墟(あと)で...
中島敦 「盈虚」
...それは支那の古書にある「太古の竜城の廃墟」の記事と一致するということである...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...荒寥たる地方での會話「くづれた廢墟の廊柱と...
萩原朔太郎 「宿命」
...廃墟にむかつて、ぞろぞろと人間の足は歩いた...
原民喜 「鎮魂歌」
...無数の変り果てた顔の渦巻いていた廃墟(はいきょ)を...
原民喜 「火の唇」
...街は既に五年前の廃墟の姿とは著しく変っていて...
原民喜 「ヒロシマの声」
...広島の廃墟の露店で求めたものなのだが...
原民喜 「魔のひととき」
...渾沌たるほとんど見分けられない廃墟の間に...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...人々のうちにある文学の種や芽は全く今日戦争後の廃墟の間にばらまかれている有様だと云えると思う...
宮本百合子 「新しい文学の誕生」
...どこそこの廃墟にあるネロの顔はどこそこのメダルに刻まれたそれよりもどれだけ長いとか広いとかを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...草におおわれた廃墟(はいきょ)のすばらしさも...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...一望の荒涼とした廃墟(はいきょ)しか見られなかった...
山本周五郎 「柳橋物語」
...半月の真下に見えていた村落の廃墟らしい処に辿り付いた...
夢野久作 「戦場」
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