...尽(ことごと)く邱墟(きゅうきょ)と成りて等し...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「蓮花公主」
...溝渠(こうきょ)の向こう側には小規模の鉄工場らしいものの廃墟(はいきょ)がある...
寺田寅彦 「写生紀行」
...廃墟のなかに、そしてその上に、打ち建てられるであろう建築は、新らしい様式のものであらねばなるまい...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...猛火は数時間にして東洋の聖地を灰の廃墟と化し去ったのであります...
永井隆 「長崎の鐘」
...廃墟の行きどまりへ着いてしまう...
中里介山 「大菩薩峠」
...胆吹山の廃墟で試みた手段をとろうかと決心して...
中里介山 「大菩薩峠」
...砂漠の砂に埋れた廃墟(はいきょ)の古代都市のほとりに...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...まるで廃墟(ルインス)だと思いながら...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...荒寥たる地方での會話「くづれた廢墟の廊柱と...
萩原朔太郎 「宿命」
...東京は廃墟になつてゐると聞かされてゐたが...
林芙美子 「瀑布」
...廃墟の死骸や狂犬やあらゆる不安と溶けあつてゐる茫々とした夜路をふらふらと僕は駅の方へ歩いて行つた...
原民喜 「飢ゑ」
...あの広島の廃墟の上にはじめて雪が降つた日も...
原民喜 「心願の国」
...そういうところにすべての廃墟の云いしれぬ魅力があるのではないか? ――そういうパセティックな考えすらも(それはたぶんジムメルあたりの考えであったろう)...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
......
槇村浩 「長詩」
...人々のうちにある文学の種や芽は全く今日戦争後の廃墟の間にばらまかれている有様だと云えると思う...
宮本百合子 「新しい文学の誕生」
...蒙古かぜ大連を吹き海暗しかかる日人に別れんとする大石橋附近の娘娘廟の大祭旅順東鶏冠山砲台の廃墟に於ける一行(向つて左より西田君・伊藤君・晶子・寛)夜更けてホテルに帰り...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...円周の四分の三程はより背の高い廃墟にあるどっしりした彫刻付の壁によって幾分保護されているように見えたからだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...黒く窓のない古い廃墟及び地下最下層の封鎖された大きな落し戸へのとどまることのない恐怖と明らかに結びついていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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