...いいようのないさびしさはいや増すばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...これは空気の密度が上層から下層へ増すその増し方が急なために光線があたかもプリズムを通るときのように曲るためである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...満月は飛行機より新鮮に空気を推進することの新鮮とは珊瑚の木の陰欝さをより以上に増すことの前のことである...
李箱 「且8氏の出発」
...風は昨日に増すとも静まる様子は更(さら)に無い...
伊藤左千夫 「大雨の前日」
...運動の「自由度」が一つ増すからである...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...さらにまた混雑を増す勘定である...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...力はどんなに増すだろう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...孝太郎の心は寒さが増すにつれて次第に深く沈まんとした...
豊島与志雄 「囚われ」
...ヨードは髪毛を増すというのが...
直木三十五 「大阪を歩く」
...それは天気がよくて、川の水位が低い時は、放流されているのだが、上流に雨が降って、川水が増すと、水圧でその湧出口がふさがれたり、さまたげられたりするため、ここの湧出口に湯が多く廻ってくる……そんな風の事がありはしないか...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...しかしてゲーテ崇拝(すうはい)の念の増すのは...
新渡戸稲造 「自警録」
...それによってますます偉力を増すところのものである...
野呂栄太郎 「名人上手に聴く」
...鰻もヤマノイモも共に精力を増す滋養満点の物だから...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...そして思案はつねに恐怖を増すであらう...
三木清 「人生論ノート」
...それによつて我々の知識が増すのでなければならぬ...
三木清 「論理と直觀」
...陰翳を味わう能力を増すといわれているありきたりな概括にまで思い及んだのであるが...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
...第三者としての読者への説得力を増すことに努めるようになった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...また郁之助はだんだんと衰弱が増すばかりで...
山本周五郎 「日本婦道記」
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