...友に責めらるるごとに彼の苦痛は増す...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...養蚕する農家は年々借金が増すばかりであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...「これを一粒飲めば、一年命が増す、これを飲んでしまったなら、また来るがいい、人間の世におって、苦しむには当らない」そこで二人は酒を飲んで別れたが、その瑕も後に行方が判らなくなってしまった...
田中貢太郎 「柳毅伝」
...家族が殖えると同時に、俸給が増す...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...それがだんだんに蓄積して内圧を増す...
寺田寅彦 「鎖骨」
...法定失業者の多少の減少・法定就職率の微少な増加・等々はおのずから技術家の社会的地位に対する一般的な信任を増す所以になるだろう...
戸坂潤 「技術の哲学」
...病めるが上にも年々更に新しき病を増すわたしの健康は...
永井荷風 「砂糖」
...反動を増すばかりである...
中里介山 「大菩薩峠」
...それと同時にあなたの値打が増すのだといつてやつたといつた...
長塚節 「教師」
...エントロピーが増す一方だというのは可笑(おか)しい...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...ペタルの囘轉は速さを増すばかりで金太郎の足を寄(よ)せつけない...
新美南吉 「坂道」
...経験が増すにつれて利益を得るようになり...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...見る見るうちに焔の熱度が増すやうであつた...
原民喜 「夏の花」
...……正直なところを言うとあなたが一緒に行って下さるとこのひとの食慾が増すのではないかと思うからですよ...
久生十蘭 「魔都」
...発春期には陰部とともに脹れ色増す...
南方熊楠 「十二支考」
...我々は多くを知れば知るほどいよいよ疑いの機会を増すものだと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ちからのある澄んだ双眸(そうぼう)がいっそう光りを増すようにみえた...
山本周五郎 「落ち梅記」
...度が増すばかりで...
吉川英治 「随筆 新平家」
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