...葉子は急に青味を増した顔で細君を見やったが...
有島武郎 「或る女」
...茶入の外観は魅力を増して行く...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...或は却つて一段の秋霜烈日の嚴を増したのではないかと思つた...
石川啄木 「雲は天才である」
...お鳥に對する冷淡の度も増しただけ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...たちまち他の諸国との文明の懸隔が増して...
丘浅次郎 「戦争と平和」
...空(から)にされたファイン湖の深淵の割増しづきの怖れについては話をこれだけにとどめよう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...が入っていくと姜は数倍美しさを増していた...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿英」
...これにも増して容易にまた簡単に出来るのものは今日の吾が翻訳である...
戸川秋骨 「翻訳製造株式会社」
...日増しに危機を孕みつつある...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...荒増し織物が出來上るといふ時分に今度は帝親ら其の仕事の摸樣を御覽になる...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...この事は作品以外の批評や感想などに至って更に其の度を増した...
中島敦 「章魚木の下で」
...づっしりと圧力を増して...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...と風に煽られたまはり灯籠のシルエツトは益々意味もなく回転の速度を増して...
牧野信一 「好色夢」
...一層靜寂を増してゐるのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...女としてたっぷりさを増して来ているということは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...暑気払いに焼酎(しょうちゅう)を飲む人がありますが焼酎は強い刺撃性であるからかえって暑さを増しそうなものですけれども適度に飲めばその刺撃で皮膚の血液を内部へ呼び戻すので人が涼しさを感じます...
村井弦斎 「食道楽」
...……といったような言葉を日に増し手厳しく実行に移して来た...
夢野久作 「巡査辞職」
...がっかりとした久慈は勢いを増した矢代にウィスキーを注ぎ...
横光利一 「旅愁」
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