...我に向いて汝の怒(いかり)を増し新手に新手を加えて我を攻め給う」とヨブは神の迫撃(はくげき)盛なるを怨(えん)じ...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...先生は、そのことを言って望遠鏡から目をはなすと、博士は、「これから、一日増しに、大きく見えて来るじゃろう...
海野十三 「火星兵団」
...次第に大きさを増し...
海野十三 「今昔ばなし抱合兵団」
...芋の子もしきりに親いものまわりに数を増し...
高村光太郎 「山の秋」
...そう云う時にその手がへんに美しさを増した...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...これに反して、始めにただ一本であったヒアシンスは、次第に数を増し、それがみんな元気よく生い立って、サファヤで造ったような花を鈴なりに咲かせている...
寺田寅彦 「柿の種」
...そして年々煩わしさの増して行く生活につれていろいろに分裂している自分の心持を支えきれないような気がしていた...
徳田秋声 「黴」
...しかし数年来音楽が成功の度を増してゆくので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...次第に広さと深さとを増してゆく...
豊島与志雄 「野に声なし」
...やがては国の生産も増し...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...そうして葛湯の分量が少しずつ増して来た...
夏目漱石 「思い出す事など」
...其れで之から又右岸の道は次第に登つて針葉樹の數も増して來る...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...以前に増した交情を生じたために...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...……けれども、それにも増して、おいちがどんなに大事な存在であったかということ、彼女が自分を去ってからそれがわかったこと、そうして、それほど大事であったおいちを、自分がなおざりにしてきたことなど、こういう想いがいつも頭を離れず、とりかえし難い罪のように彼を苦しめた...
山本周五郎 「つばくろ」
...不安が一層激しく増して来るばかりとなって来た...
横光利一 「馬車」
...歩調が激しくなるにつれて彼女の影も男性的な活溌の度を増して見える...
吉川英治 「江戸三国志」
...谷間の陣も次第に増してくる水におわれて...
吉川英治 「三国志」
...人数もずっと増し...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
便利!手書き漢字入力検索