...懐(ふところ)から塩煎餅(しおせんべい)を三枚出して...
有島武郎 「カインの末裔」
...甘ッたるい恋物語で食もたれしている処へ三唖の人を茶にする三馬式の軽い滑稽は餅菓子のあとへ塩煎餅(しおせんべい)を出したようなもので...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...(四季袋のなかにはポケツト論語と毛染薬(けぞめくすり)と塩煎餅とが一緒くたになつてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...塩煎餅ほどにしか軽く取扱はれなかつたのを知つた梅幸は...
薄田泣菫 「茶話」
...点心(ちゃうけ)には大きい塩煎餅(しおせんべい)が五六枚盆にのせて出された...
田山花袋 「田舎教師」
...火鉢の抽斗(ひきだ)しの紙袋には塩煎餅(しおせんべい)が二枚しか残っていなかった...
田山花袋 「田舎教師」
...茶請(ちゃうけ)は塩煎餅(せんべい)か法事でもらったアンビ餅で...
田山花袋 「田舎教師」
...茶屋の女が剥(む)いてくれる柿や塩煎餅(しおせんべい)などを食べて...
徳田秋声 「あらくれ」
...おとらは東京からこてこて持って来た海苔(のり)や塩煎餅(しおせんべい)のようなものを...
徳田秋声 「あらくれ」
...」お作は塩煎餅の...
徳田秋声 「新世帯」
...名代の塩煎餅(しおせんべい)ですよ...
徳田秋声 「黴」
...」お銀は塩煎餅を壊しながら...
徳田秋声 「黴」
...妻が茶棚のブリキ缶から塩煎餅を取出し...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...彼は其所にある塩煎餅(しおせんべい)を取ってやたらにぼりぼり噛(か)んだ...
夏目漱石 「道草」
...塩煎餅(しおせんべい)といっしょに召し上がりますと雁の味が致しますと例のごとく茶羅(ちゃら)ッ鉾(ぽこ)を云うから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...私の直(じき)近処に塩煎餅(しほせんべい)を売つて細々暮らしを立てゝ居た可愛さうな後家が有升(ありまし)たが...
若松賤子 「黄金機会」
...あの塩煎餅(しほせんべい)やのかみさんもモウ大分よくなつたから...
若松賤子 「黄金機会」
...塩煎餅(しほせんべい)やのをばさんにやる下駄(げた)を買ひにですよ...
若松賤子 「黄金機会」
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