...それから今怪塔中におしこめられている帆村探偵や...
海野十三 「怪塔王」
...こゝ塔中に留(とま)れかし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...一箇所大きい寺のあるあたりには塔中(たっちゅう)また寺中(じちゅう)と呼ばれて小さい寺が幾軒も続いている...
永井荷風 「日和下駄」
...あるいは芝大門(しばだいもん)の辺(へん)より道の両側に塔中(たっちゅう)の寺々甍(いらか)を連ぬるその端れに当って遥に朱塗(しゅぬり)の楼門を望むが如き光景である...
永井荷風 「日和下駄」
...古来から塔中に生きながら葬られたる幾千の罪人は皆舟からこの門まで護送されたのである...
夏目漱石 「倫敦塔」
...白塔は塔中のもっとも古きもので昔(むか)しの天主である...
夏目漱石 「倫敦塔」
...千三百九十九年国民が三十三カ条の非を挙げてリチャード二世に譲位(じょうい)をせまったのはこの塔中である...
夏目漱石 「倫敦塔」
...法士の前に立って彼が天下に向って譲位を宣告したのはこの塔中である...
夏目漱石 「倫敦塔」
...沙翁はクラレンス公爵の塔中で殺さるる場を写すには正筆(せいひつ)を用い...
夏目漱石 「倫敦塔」
...塔中四辺の風致景物を今少し精細に写す方が読者に塔その物を紹介してその地を踏ましむる思いを自然に引き起させる上において必要な条件とは気がついているが...
夏目漱石 「倫敦塔」
...大徳寺塔中(たつちう)聚光院に一夜を御厄介になつてから...
長谷川時雨 「家」
...象護の前身一(ある)塔中菩薩が乗った象の像少しく剥(は)げたるを補うた功徳で...
南方熊楠 「十二支考」
...塔中(たっちゅう)三十七尊を記せる内...
南方熊楠 「十二支考」
...ただ塔中には欅(けやき)の階段...
武者金吉 「地震なまず」
...「塔中の怪」と云ふ冒険小説を書いたりしてゐた...
吉井勇 「青春回顧」
...いまこの塔中(とうちゅう)には蝙蝠よりいないのだから...
吉川英治 「神州天馬侠」
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