...その恨みに報いる爲めに大野の細君を自分の物にしてゐると云ふのであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...人間の生存はこれに報いるためである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...自分を生んでくれた生みの親へ心身をもって報いるのである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...中村屋ファンのかねての信望にも報いることが出来るのであった...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...編輯者の同情に報いる為にも私は...
太宰治 「鬱屈禍」
...猿の吉兵衛は主人の恩に報いるはこの時と...
太宰治 「新釈諸国噺」
...終(つい)に大夫の命婦としてこれに報いるということになったので...
田中貢太郎 「富貴発跡司志」
...それは苦学生時代の恩義に報いるためであったことは云う迄もないが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...また一つには母の無鉄砲さに報いるために...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...横田ら二人の好意に報いるには...
豊島与志雄 「反抗」
...折角の大村さんの親切に報いるため...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...私は彼の忠實な努力に報いるために二三枚の銀貨をポケットからつかみ出して...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...昔の九戸政実の怨みを報いるつもりさ」「ヘエ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その先生の恩に報いるため...
林芙美子 「私の先生」
...してみると人間として相手の信頼に報いる義務がある...
平林初之輔 「謎の女」
...嬖臣(へいしん)十太夫の受けた辱(はづかしめ)に報いるために...
森鴎外 「栗山大膳」
...人々は彼がその父の仇を報いるとともにシチリア人の父を死から救ってくれた好運をたたえて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...女の皮膚は弱いというが鏡にかえて剣を抱けば剣は正義の心を強めてくれるわたしはすすんで荊棘(けいきょく)へ入る父母以上の恩に報いる為にまたそれが国の為と聞くからに楽器を捨て...
吉川英治 「三国志」
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