...病気にて再任に堪え得ず」ということではあったのだが...
犬田卯 「瘤」
...たちまち不安に堪えられぬ憂鬱な状態を現わし...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...雑然喧然騒然紛然たる中に立って誰からとなく此咄を聞きつゝ何とも言い知れない感慨に堪えなかった...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...ことに寒心に堪えないのは死産の数が五倍になったことであります...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...又誠に寸断刻苦の惨に堪えざればなり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私は堪えきれない場合にはよく酒を呷ったものである(今でもそういう悪癖がないとはいいきれないが)...
種田山頭火 「白い花」
...彼女には堪えがたい苦痛だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...オリヴィエは堪えがたい羞恥(しゅうち)を感じてひきつづけられなくなった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何とも知れず悲しき心地して堪えがたし...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...かの旅行中の暴君のために怖れることは想像にも堪えられないはずなのに……ここの一同は存外平気で...
中里介山 「大菩薩峠」
...お互に野暮ほど有難いものはねえ」金六はすっかり感に堪えた姿です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...艱難(かんなん)に堪え得た彼女の体が生みだした成功と名誉である...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...たとえば海陸軍においても、軍艦に乗りて海上に戦い、馬に跨(またがっ)て兵隊を指揮するは、真に軍人の事にして、身みずから軍法に明らかにして実地の経験ある者に非ざれば、この任に堪えず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...時には隱岐も堪えきれなくなつて...
牧野信一 「痴日」
...愛を持たずに性的交渉を持つに堪えない感情を持って居る...
宮本百合子 「黄銅時代の為」
...お関は堪えられない程のねたましさと憎みを感じて居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...私はこの苦しみに堪えられないと思う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...邦家のため御同慶に堪えませぬ...
夢野久作 「暗黒公使」
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