...さればとてまずい心持ちで君をかえすのも堪えられないと思いなやんでいたらしかったので...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...そして未練というものは微かであっても堪えがたいほどに苦(にが)い……...
有島武郎 「星座」
...それは彼らにとって堪え得ないものであるらしかった...
犬田卯 「沼畔小話集」
...それはどうしても堪えきれなくなって来た...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...そのおっちょこちょいは笑うに堪える...
太宰治 「如是我聞」
...もし自分さえ飢えと寒さに堪える覚悟なら...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...じっと押し堪えた...
豊島与志雄 「反抗」
...立っているに堪えなかった...
豊島与志雄 「文学以前」
...丁度その頃水車小屋の中では、村の子供たちがすっかり招かれて、明るい灯の下で、おいしいめずらしいお菓子や御馳走を頬ばりながら、笛や胡弓(こきゅう)に合せて、おどり狂っているのですから、ネルロにとっては、よい気持のしない日であるにもかかわらず、彼はよく堪えて、小屋の入口に犬と並んで腰かけ、「ね、パトラッシュ...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...演藝野卑陋劣観るに堪えず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...クララの風にも堪えないような華奢(きゃしゃ)な美しさはシューマンを虜(とりこ)にした最大の原因ではなかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...まことに同情に堪えないが日本の愛読者なる我々にとっては...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...葡萄酒(ぶどうしゅ)なくては身の重さにも堪えられぬ...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...醜い「理由」を眼にするに堪えなかつた...
牧野信一 「村のストア派」
...自由人にとり嫌悪に堪えぬ考えはあり得ない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...堂々と威儀を正して入陣の式を行うのに堪えられなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これを列記するのは煩に堪えぬが...
柳田國男 「地名の研究」
...四一甲谷は参木と分れると一層空腹に堪えかねた...
横光利一 「上海」
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