...馬はやがて裸身(はだかみ)にされて藁(わら)の上に堅くなって横(よこた)わった...
有島武郎 「カインの末裔」
...彼は心まで堅くなってじっとして立っていた...
有島武郎 「卑怯者」
...顔色は依然として悪かったが唇を堅く結び眼付が険(けわ)しくなったのが...
梅崎春生 「日の果て」
...心の底の或る堅くなっている思いをじっと押えつけるようにして...
豊島与志雄 「恩人」
...彼は堅くなって、憤然とにらみ返した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...数か月以来不断の警戒的気持に堅くなっていた彼は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...きちっと着物の中に堅くなって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...餅の中へ堅く食い込んでいる歯を情(なさ)け容赦もなく引張るのだからたまらない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...冷たくて堅くて、コチコチして、恐ろしく重くて」「そりや息の通つてゐる者と、死んで時の經つた者との違ひだ」「あの家は全く不思議ですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...堅くなって、うつむき、昔の恋人の声を、雷鳴のように、耳に聞いた...
火野葦平 「花と龍」
...この事は両人出発の節堅く申付(もうしつけ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...語る人もない故郷の寂しい田舎で堅く口を結んで一年あまりの年月を送つたのであつた...
水野仙子 「響」
...同書にジャクン族はその族王の魂は身後虎鹿豕鰐の体に住むと堅く信ずという...
南方熊楠 「十二支考」
...秋になると穀豆を掠(かす)めて両頬に含み両手で堅く押し付けてはまた含み込み...
南方熊楠 「十二支考」
...然し一日も休まぬといふことを何よりの誇りとしてゐる仲間の方では恐らく彼のやうな怠け者の姿をよしや見附けたところで見ぬふりして過ぎた筈(はず)である――彼の顔面は懶惰(らんだ)の羞恥(しうち)で堅くなつてゐた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...松浦先生は非常に堅くるしい方であったから...
柳田国男 「故郷七十年」
...「どうしてもお眼どおりはかなわぬかな」「お顔色ではよほど堅くお心をきめられたように思われます...
山本周五郎 「新潮記」
...守って動くな」かえって堅く自戒していた...
吉川英治 「三国志」
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