...この堂々として赤裸々たる處が却つて敵をして矢を放たしむる的となつた所以であつたのだ...
石川啄木 「雲は天才である」
...これより前(さき)、相貌堂々として、何等か銅像の揺(ゆる)ぐがごとく、頤(おとがい)に髯(ひげ)長き一個の紳士の、握(にぎり)に銀(しろがね)の色の燦爛(さんらん)たる、太く逞(たくまし)き杖(ステッキ)を支(つ)いて、ナポレオン帽子の庇(ひさし)深く、額に暗き皺(しわ)を刻み、満面に燃(もゆ)るがごとき怒気を含んで、頂の方を仰ぎながら、靴音を沈めて、石段を攀(よ)じて、松の梢(こずえ)に隠れたのがあった...
泉鏡花 「婦系図」
...仏様だって御存じあるまいさ」構えが堂々としているので桃子は気おくれして...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魔性の女」
...彼等がもう正々堂々として戦いができなくなった時...
ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...彼等がもう正々堂々として戰ひが出來なくなつた時...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...淺間山堂々として人の眉目を壓するに...
大町桂月 「碓氷峠」
...合理的で堂々としていて...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...彼女は法王のように威儀堂々としていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...堂々として、前路における何物をも眼中に置かずに押しかけて来るところが壮観です...
中里介山 「大菩薩峠」
...如何にも嚴重で堂々として...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見たところ風采も堂々としており...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...何も悪いことはしていないし、すべてを公開し、堂々としている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...堂々としてやっていた...
室生犀星 「芥川の原稿」
...形ばかり鷹のように堂々としていながら...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...「――わが藩の城下の東北には竜神川が流れておる、こう云ってごらんなさい、実に堂々として、百万石の大藩のおもむきがあるじゃないですか、これをもし、東北には堰がある、などと云ったらどうでしょう、まるで申しわけでもしているようじゃありませんか、……かれらにはこのくらいの理窟もわからない、したがってこの堤防の意味なども、ぜんぜん理解ができないわけです」「堤防についてなにか申しておるのか」図書助が初めて振返った...
山本周五郎 「半之助祝言」
...弁舌とが如何にも堂々としているのに感心しまして...
夢野久作 「暗黒公使」
...これは正しくまたこの評論は堂々として明快であったが...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...堂々としてはいても甘い哀愁をさそうようにしおらしい...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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