...園城寺の緇衣軍、南都の円頂賊、次いで動く事、雲の如く、将に、旗鼓堂々として、平氏政府を劫さむとす...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...想ふ、彼が独り京洛の路上に立ちて、平門の貴公子が琵琶を抱いて落花に対するを望める時、殿上の卿相が玉笛を吹いて春に和せるを仰げる時、はた入道相国が輦車を駆り、兵仗を従へ、儀衛堂々として、濶歩せるを眺めし時、必ずや、彼は其胸中に幾度か我とつて代らむと叫びしなるべし...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...図‐332この建物には、ずい分金がかかっているに相違ないが、防火建築の様式によって建てられた、最もしっかりした性質のもので、黒く光る壁や巨大な屋根瓦で、堂々としている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...其理論の堂々として而して何等危險なる要素を含んでゐないに拘らず...
石川啄木 「所謂今度の事」
...この堂々として赤裸々たる處が却つて敵をして矢を放たしむる的となつた所以であつたのだ...
石川啄木 「雲は天才である」
...これより前(さき)、相貌堂々として、何等か銅像の揺(ゆる)ぐがごとく、頤(おとがい)に髯(ひげ)長き一個の紳士の、握(にぎり)に銀(しろがね)の色の燦爛(さんらん)たる、太く逞(たくまし)き杖(ステッキ)を支(つ)いて、ナポレオン帽子の庇(ひさし)深く、額に暗き皺(しわ)を刻み、満面に燃(もゆ)るがごとき怒気を含んで、頂の方を仰ぎながら、靴音を沈めて、石段を攀(よ)じて、松の梢(こずえ)に隠れたのがあった...
泉鏡花 「婦系図」
...堂々として其思想を忌憚なく発露するを得せしめて後初めて文学の発達を計る事が出来る...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...たいへん堂々としていて正統のようでもあり...
太宰治 「風の便り」
...押出しが堂々としており...
谷崎潤一郎 「細雪」
...嫁様のほうが堂々としている...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...捕縛いたすぞよ」堂々として...
中里介山 「大菩薩峠」
...謠(うたひ)で鍛(きた)へた聲が堂々としてゐるだけに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何よりも肉づきのあつい立派な體格が堂々としてゐた...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...態度も堂々としている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...いよいよ堂々として...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...堂々として鮮明な美しさは源氏の大臣以上だろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...態度は堂々として...
山本周五郎 「竹柏記」
...全体の感じが実に堂々としているのである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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