...先人の聲は基音として俺の聲を支へて呉れてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...あるいは基音とはほとんど無関係ないわゆる形成音(フォルマント)のようなものである...
寺田寅彦 「疑問と空想」
...それらの音をそれぞれの音として成立せしめる主体となるものは基音でなくてむしろ高次倍音また形成音だとも言われはしないかと思う...
寺田寅彦 「疑問と空想」
...その組成分の中からその基音ならびに低いほうの倍音を除去して...
寺田寅彦 「疑問と空想」
...汽車のゴーゴーという単調な重々しい基音の上に...
寺田寅彦 「写生紀行」
...汽車のゴー/\といふ單調な重々しい基音の上に...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...たとえばある基音に対して長三度の音と短三度の音とを二つ別々に相当な時間を隔てて聞いたのではどちらでも全く同じ心持ちしか起こらない...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...しかし基音からすぐに長三度へあがるのと短三度へ上がるのとではそれこそ全く春と秋とちがうほどの差違を感ずるであろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
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