...物事に淡白でない、執念深くて、あきらめが悪い――物を云つても煮えきらず、江戸ツ子のやうにテキパキと白い黒いがつかぬ所が第一、最もこれは商人にとつては一番大事な事と思はれますが、一向煮えきらぬことを云ひ/\相手を焦(じ)らすことに妙を得てゐます...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人人」
...執念深く窺(うかが)いよる男共は手痛い目にあわされるという評判が専(もっぱ)らであった...
海野十三 「白蛇の死」
...あいつがまだ執念深くつき纒(まと)っているのだ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...さも意味ありげに執念深く観察しているのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...執念深くも最後の望みを捨て兼ねて...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...それをお鉄は執念深くも...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...とても執念深くって――」そこへ一人の刑事が入って来て...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「青い風呂敷包み」
...次の機会を待つさ」執念深くやろうぜと言う丸万に...
高見順 「いやな感じ」
...お逃げなさいまし」がんりきは執念深くお松を連れ出しに来たものとも思えるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...最も執念深く自己の幸福を探していたのだということが...
中島敦 「悟浄出世」
...人さらいは執念深く施米の後を追っかけて歩いている」「親分...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...執念深くお関を嫁にと迫りますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...執念深く跟けて行くことが解っているのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分」八五郎は執念深く食い下がります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ああまで執念深く争いつづけたのは...
久生十蘭 「ひどい煙」
...飽くまでも執念深く発揮すれば面白いが――そんなに思つて不足を感ずることさへあつた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...「私が機械のための場所は見つけます!」「すると……」ニェムツェウィッチは執念深く云った...
宮本百合子 「「インガ」」
...何といふ執念深く疑ぐり強い奴だらうと...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
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