...この意味に於いて自己に固執するもののみ始めて自らの主である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...俺は飽くまでも此立脚地を固執する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...かような考慮なしに単に国粋主義を固執するのはむしろはなはだ危険な思想的傾向であるとせねばならないであろう...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...色に執するが故に色を失ふ...
種田山頭火 「其中日記」
...たとい私はつねに一つの同じ認識に堅く固執することができないという弱さが私のうちにあることを経験するにしても...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...即ち従来の古典物理学的な範疇体系であった機械論を固執すると仮定すれば...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...こういう封建的乃至資本主義前的文化イデーが文化条件の一つとしてみずからを固執するので...
戸坂潤 「日本文化の特殊性」
...なお根本制約として教学精神がみずからを固執するだろうことを...
戸坂潤 「日本文化の特殊性」
...中年になつて詩に執するのは未練であり...
萩原朔太郎 「詩に告別した室生犀星君へ」
...反対に「自我に執する」とは...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...このことに固執する役目を引き受けたような恰好になっていった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...個人責任で定まる起草の際にはあくまで自説を固執するけれども...
穂積陳重 「法窓夜話」
...此故に善に執する者は二氏の行動を追及して社会の風紀を紊乱する者なりと云ふ...
正岡容 「大正東京錦絵」
...形式に固執することによってかえって我々の認識を貧困ならしめる...
三木清 「危機における理論的意識」
...私は自分から固執するところがあったとも云ったし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...知に執するなら新たな愚ではないか...
柳宗悦 「工藝の道」
...大義に執する余り矯激にわたる弊のあることを知っていた...
山本周五郎 「新潮記」
...それは無始以来の妄念に執するのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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