...昨日の議論は、彼女を埒外に置いたまま終わってしまった...
...彼の提案は、我々の考えとは完全に埒外だった...
...彼女は周りとの繋がりを欠いているため、社会生活が埒外になっている...
...彼らのアイデアは、私たちのビジネスプランからは完全に埒外だ...
...歴史の教科書には、植民地時代の出来事が多く含まれているが、実際に当時生きた人々の経験は埒外となっていると感じる人もいるかもしれない...
...況(いはん)や話の奇抜であるか奇抜でないかと云ふことは評価の埒外(らちぐわい)にある筈(はず)である...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...何か新しい事をしようとしてむやみに足を埒外(らちがい)に踏み出すのは危険なことである...
高浜虚子 「俳句への道」
...そう云う詮議立(せんぎだ)ては此の小説の埒外(らちがい)であるから...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...僕は彼女の生活の埒外(らちぐわい)にゐなければならぬ人間だ...
田畑修一郎 「南方」
...論理的なものの埒外に逸した処のものである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...その核心が所謂経済学「方法論」の埒外に出ることの出来なかった理由もここから来たのであった...
戸坂潤 「読書法」
...――で自由主義の埒外へ一歩でも踏み出した宗教意識は...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...猫に関する怪談は、道徳美の埒外に、あるものが多く、たとい報恩とか復讐とかいうことから発したものにあってさえ、たちまち独自の発展をなして、精神的な怪異力を発揮する...
豊島与志雄 「猫性」
...在来の観念の秩序の埒外にはみ出すものであって...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...同化の埒外(らちがい)からこの興奮状態を眺める彼の眼はついに批判的であった...
夏目漱石 「明暗」
...心の規律の埒外にあることは出来ず...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...それでも埒外には出なかつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「埒外といふことはないさ――僕等は登志子君も準同人として数へてゐるんだもの...
牧野信一 「海路」
...埒外の私達でさへ驚いて顔を見合せたのである...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...これは麦門冬埒外(らちがい)の品である...
牧野富太郎 「植物記」
...自分をつきはなして見れば勿論その埒外にいると云えたものではありませんけれども...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この人に信長のあとを襲う素質はないものと埒外(らちがい)に措(お)かれていたといってよい...
吉川英治 「新書太閤記」
...その埒外に置かれたるいのちの表現を知ることはできない...
吉田絃二郎 「沈黙の扉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??